お守りペンダントは知っている 〜探偵チームKZ事件ノート×氷の上のプリンセス〜

やばいよ ページ7

会場に入って、席を探す。
「ここだっ！」
若武がいち早く見つけた席は、前3つ、後ろ4つに分かれていた。
「アーヤ、どこに座りたい？」
黒木君が聞いてくれたけど、どうしよう。もちろん1番見やすい席に座りたいけど、みんなも座りたいだろうし……
「黒木、何言ってんだ。アーヤはここに決まってるだろ」
若武が言って示した席は、私の1番座りたかった席。
ありがと。若武。
「それでその隣は俺ね」
そう言った瞬間、みんなが一斉にわめき出した。
「お前なあ、汚ねーぞ」
「僕も隣がいい！」
「よくわからんけどムカつく」
「リーダーだからって理由なしね」
「民主的なリーダーだったら公平に決めないとフェアじゃないでしょ」
騒ぎ続けるみんなの横を、
「会場ではお静かにお願いしまーす……嘘っ！KZ！？」
「え？KZってどれ？」
「あそこ一体だよ！やばい、夢みたい……」
ショートカットのボーイッシュな子と、ボブの大人しそうな子が通り過ぎていった。やれやれ……


ようやく席を決めて、座った。
私の隣は、上杉君と小塚君。ちなみに若武は、隣を逃してむくれあがってる。クスクス。
「立花。はい」
上杉君がプログラムを渡してくれた。開いて読んでみると

1．オープニング
2．小泉真子
3．田之上秋人
4．涼森美桜
5．水島塁

6．星崎真白
7．春野かすみ
8．瀬賀冬樹
9．エンディング

と書いてある。
「ええっ！」
私はびっくりしすぎて思わず声を上げてしまった。
「立花、どうした？」
上杉君が心配してくれたけど、私は上の空。
だって、GPファイナルのメダリストが全員終結してたんだもの！
女優とスケートを両立するジュニア女子銅メダリストの涼森美桜選手、ジュニア1年目で表彰台に上がって未来のホープって期待されてるジュニア男子銅メダリストの水島塁選手、茶色い髪をプログラムのために黒く染めて登場して噂になったシニア女子銅メダリストの星崎真白選手、それに、王子様系イケメンで有名なシニア男子の瀬賀冬樹選手だしこのスケートクラブ、どうなってんの？
しかも、残りのメンバーもトリプルアクセルが跳べてGPファイナルにも出場してたのに高熱でフリーを棄権してしまった春野かすみ選手、去年の全日本ジュニアで銅メダルを取った田之上秋人選手、まだスケートを始めてまもないのにもう全日本ジュニアに出場した小泉真子選手。
やばすぎる。
「……ヤ、アーヤ、大丈夫？」
目の前で小塚君が手を振っていた

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