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『好きに決まってるだろ』
そんなの当たり前だと言わんばかりに、そう言った鹿紫雲。
何か、わざわざ質問した俺が変だったのかとすら思えてくる。
いや、相手が普通の男なら確かにそうだ。
Aさんは美人だし性格もいい。
一緒に暮らせば好きになるのも時間の問題だろう。
でもコイツは鹿紫雲だぜ?
宿儺とかいう1000年前の術師と戦うことに執着して、わざわざ現代に蘇ったような戦闘狂が
女になんか1ミリも興味なさそうなコイツが
ここまで頭抱えてる原因がホントに恋だとは。
秤「お前が恋煩いか…で、そんなに悩んでる原因は何なんだよ」
『……』
パ「まさか抱こうとしたら拒否られたとか…?」
『違う。てかお前は何なんだよ。いつから居た』
パ「あなたよりも前からいましたけど…」
秤「コイツはうちの高専で飼ってる呪骸だ。呼び方はパンダでいい。
で、原因は何なんだよ。上手くいってねぇのか?」
こんなイケメンに惚れられて靡かないほど、堅そうな感じには見えねぇけどな、Aさんは。
『何つーかこう…我慢できねぇんだよな。色々と』
秤・パ「「(え、これは過激な話…?)」」
パ「やっぱ俺がさっき言ったやつが正解なんじゃ…」
『違うっつってんだろ』
パ「スミマセン…」
秤「お前の欲の話なのか?これ」
『……』
秤・パ「「(やっぱ過激な話じゃん…)」」
秤「お前は純粋チェリーボーイか。そんなに好きなら抱いちまえばいいだろ。向こうだって嫌がりはしねぇよ、相手がお前なら」
パ「もしかして拒否られるのが怖いんじゃない…?」
パンダがそっと耳打ちしてくる。
秤「それは流石に解釈違いすぎるだろ。自信過剰がコイツのアイデンティティなのに」
俺たちのヒソヒソ話が聞こえていたのか、鹿紫雲は軽蔑の眼差しをこちらに向けた。
秤「お前が言わなかったら俺らでどんどん変な方向に妄想広げてっちゃうゾ」
鹿紫雲は呆れたようにため息をつく。
『俺が何者かはお前らも知ってるだろ』
秤「居候?」
パ「イケメン?」
『俺は400年前の人間だ。死滅回游が始まったら参加することが契約で決まってる』
パ「不可抗力なのか?」
『19日以内に参加を宣誓しねぇと術式を剥奪される』
死滅回游が始まれば、Aさんとは離れないといけない。
鹿紫雲が言いたいのは大方そんな感じのことだろう。
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ヤハウェ(プロフ) - 由良の門をさん» そういう先輩っていうのは社会にごろごろいますから気をつけていきましょうね‼️鹿紫雲たんみたいなのが一家に1人いれば、日本社会はもっとマシになるはずであります…応援あざむぁす! (2月19日 14時) (レス) id: 3429f701c5 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - うみさん» ありがとうございむぁす‼️いい話ですよね😍オイラも好きですよ✨ (2月19日 14時) (レス) id: 3429f701c5 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 企画を丸投げする先輩共腹立つと同時に、鹿紫雲の優しさが主人公にしみますね・・・!更新楽しみです!頑張ってください!!!! (1月15日 23時) (レス) @page17 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
うみ - 作者さまの小説の中でこの小説が1番好きです!鹿紫雲目線と主人公ちゃん目線の書き方、文章の表現が素晴らしいです…好き! (11月29日 21時) (レス) @page23 id: d6837fdd33 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - あわさん» そう、鹿紫雲ちゃんは最高なのですよ!!沼れ!沼れ!いや、もう沼っているはずだお。この小説を読んだことがその証拠さ… (2023年4月13日 0時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤハウェ | 作成日時:2022年12月3日 0時