バルガスキャンプ49 ページ44
◇
バルガスから預かった箱を持ったままそちらに近づき、部屋の中を覗き込む。
そこには狭い部屋でスクワットをする幼馴染の姿があった。
『エース？』
「A！？」
「おや、お手伝いの女の子じゃないか。バルガス先生、出て行く時に扉を閉め忘れたね。もう食事の時間のようだしワシは行くとしようかね。残りの回数を頑張るんだよぉ」
その言いようからしてエースがスクワットをしていたのを監視していたのだろう。
ゴーストはAの姿を見ると闇の中に消えていった。
『エース……無事でよかったっ。いなくなって心配してたんだよ』
「心配かけて悪かったって。全部話すからちょっと待っててよ。あと10回……っ」
エースは中断していたスクワットを震える足で再開する。
数分かけて10回を終わらせると、どさっと床に座り込んだ。
「あー、しんどっ。バルガス先生マジ鬼。ちょっとサボっただけでスクワット1000回とかありえないっつーの！」
『えっと、お疲れ様、でいいのかな？ お水飲む？』
「飲むっ。もう喉カラカラ。全部飲んでいい？」
『うん、いいよ』
背負っていたリュックサックを下ろし、中から水筒を渡すと、エースはごくごくと喉を鳴らして飲み干す。
喉が潤ったエースは何故スクワットをしていたのかを話してくれた。
フロイドと手分けして食材を集めることになり、フロイドは湖を、エースは山の中を歩いていた。
食材を集めるという面倒くさいことに珍しく乗り気なフロイドに、エースは食材集めを任せてサボろうとしていると、草むらが揺れ、何かが飛び出してきて気を失った。
そして意識を取り戻すとこの部屋にいたらしい。
その場にいたバルガスが「課題をサボるような生徒にはキャンプに参加する資格はない。特別メニューだ」と伝え、ゴーストを監視役につけ、エースはスクワットの刑に処されていた。
何故エースが真面目にスクワットを1000回もこなしたのか。
話を聞けば、回数分のスクワットするまでに中断すると、微力ながら静電気が流れるという地味に辛いギプスを太ももにつけていたらしい。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1472人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ここ(プロフ) - ミコミコさん» ミコミコさん、コメントありがとうございます^_^セベクの純粋なところ可愛いですね…！ (2021年12月8日 8時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
ミコミコ - セベクが可愛い…………(^^) (2021年12月8日 6時) (レス) @page12 id: f5d7639b7a (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 翡翠さん» 翡翠さん、まさかセリフを覚えてきたとは、Re:startのお話のでしょうか！？もしそうだとしたら凄いです…っ！！ (2021年7月25日 19時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - いやー、セリフ地味に覚えてきましたねw (2021年7月25日 14時) (レス) id: 34ae80e840 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 翡翠さん» 毎日1話…！もうセリフとかも全部完コピできちゃいそうですね…！応援本当に嬉しいです、ありがとうございます(*^_^*) (2021年6月18日 21時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ここ
| 作成日時：2021年5月7日 12時
