ダンガンロンパrepeat【小説版】 (ページ6)

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5話　くろーさぎページ6

「お、起きて下さい……！」

「ふえっ！？」

突然、大きな声で呼ばれたぼくは、びっくりして変な声を上げてしまった。

「あ、お、驚かせちゃいましたかね……？すみません！」
「う、ううん。大丈夫、だよ……え、こ、ここは？」

ぼくは上手く喋れない。どうしてもつっかえつっかえになってしまう。そんな喋り方が、ぼくは大嫌いだった。もっとすらすら話せたら良いのに。

「それが、いとにも分からないんです……。体育館かな……？とは、思うんですけど……」
「そう、みたいだよね……で、でもぼく……知らない所……に、苦手なんだけど」

怖がりで泣き虫。男子のクセに意気地無し。これがぼくだ。こんな特殊な状況でも、それは変わらないんだなぁ、なんて思うと悲しくなる。
だけど、その女の子はぼくを軽蔑する様子もなく声をかけてくれた。

「あ、あの……他の人達を起こすの、良ければ、手伝って貰えませんか……？」
「う、うん！ぼ、ぼくで良いなら……！お、お姉ちゃんは何だか、ぼくに似てるような気がするし……」
「え？何か言いましたか……？」

最後の方は独り言だった。ボクはこの女の子ほど声は小さくないけれど、聞こえないように呟いたのだ。

「う、ううん。な、何でもない……！皆を起こせば、い、良いんだよね！」
「……はい、よろしくお願いします……！」

ほんの少しだけ嬉しそうにしたお姉ちゃん。何だか可愛い人、と思いながら、ぼくは他の人を起こすために背を向ける。

(お姉ちゃんの持ってるぬいぐるみ、凄く可愛いなぁ……)

そう、心の中で思ったのは、内緒の話だ。