○ ページ7
そして、目を覚ましたら、この部屋に閉じ込められていた。
頭痛も息苦しさも、もうない。あの赤毛の男の人も何処にもいなかった。
(何この状況……)
憧れの豪華客船のチケットが当たって。海に感動してたら、赤毛のイケメンさんが寄ってきて。何をするかと思えば、飴玉を貰って、急に気を失う……
極めつけは格子付きのドアの部屋に入れられてるんだから。
ありえない、非現実的すぎる。これは夢だな。
そう思って頬を抓るも一向に目は覚めない。
現実、なのか……
薄明かりの中、ゆっくりと辺りを見渡す。ここはコンシェルジュに案内された、あの部屋みたいだ。
窓の外の太陽が、少しずつ海の彼方に消えかけている。
夕焼けっていいなー、なんてこんな時なのに、阿保みたいな事を考えてしまった。
記憶のピースが全て戻り、起きたばかりだけれど精神的な疲労のせいで座り込んだ。10分くらい前のアナウンスを思い出し、ため息が漏れる。
スタートイベントだの、日暮れを待てだの、全くもって訳が分からない。そんな事より何が起きてるのかを教えてほしい。
「というか、此処からだしてよ……」
"お客様をそこから我々が出すことはできません"
突然のアナウンスに心臓がドキリとした。
い、今の聞こえてたの？頬に冷や汗が流れてベットから、サッと立ち上がる。
すると、マイク越しにアナウンスの男性なのか、くっくと喉をならして、笑う声が聞こえてきた。
"忘れていましたが、皆様の部屋には盗聴器、監視カメラが設置されておりますのでご了承ください"
いやいや、了承できる内容じゃないんですけど……、全然意味わからないし。と心の中で毒づいてハッとした。
(皆様…？)
その言葉が、Stogh Shipの乗客とリンクさせるのに時間はかからなかった。私以外にもこの船に閉じ込められている人がいるのだ。
声も姿もないけど、昼間船の中にいた人達が皆私と同じ配下にいる
(あの大人数が…！)
この船のキャパを考えれば、軽く1000人には超えるだろう。想像して、ゾッとした。いったい誰がこんな事をしているの…？
乗船員のハイジャック？
なら、どうやって短時間で格子を？
しかも、全部の部屋に？
まさか、そんな事できる訳ない！
"ようこそ、『Stogh Ship』へ…"
船内に冷たい声がこだまする。
日は暮れて、夜の闇に包まれていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 347人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
。りうむ 。 - そうなんですね(´∀`*) 覚えていてくださって嬉しいです！(>ω<*) (2020年5月12日 23時) (
レス) id: a1d0ac6eed (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - 。りうむ 。さん» あぁっ、りうむさん！！前作に引き続き、コメント、そして応援までありがとうございます！！そう言って貰えて嬉しいです！ちょっと張り切って作ってみました笑笑 (2020年5月12日 0時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
。りうむ 。 - 1ゲームごとの画像を細かくつくっていてすごいですね！！(語彙力がなくてすみません(>< )) 応援してます！！(´ω`*) (2020年5月12日 0時) (レス) id: a1d0ac6eed (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - 紅灯-あかり-＠crewさん» コメント、ありがとうございます！そう言って頂けてすごく嬉しいです(≧∇≦)これから志麻さんが大活躍（？）する予定なので、良かったら見に来てやってください笑 何時でもお待ちしてます！ (2020年4月28日 21時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
紅灯-あかり-＠crew(プロフ) - 初コメ、一コメ失礼します！あ、すきです。志麻くんに首絞められるの見てゾクゾクしちゃった自分がキモくて怖いです(震え声)何時も見てます！更新頑張ってくださいね！ (2020年4月28日 0時) (レス) id: 7ac7f90b4f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
