page52、認めない ページ7
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Aの執務室
『ミュゼル〜』
「何でしょう」
『好きな人いる〜?』
「唐突ですね。何で新兵みたいな話題なんですか」
『いや、恋愛ってどんなものかな〜と。』
今日も今日とてミュゼルに書類を手伝ってもらってる私。全く進まない。結果机に突っ伏した私に呆れミュゼルは何も言わなくなった。
ふいにそう言うとミュゼルは目を瞬かせる。
「恋愛してないんですか?」
『さあどうでしょう。』
「納得いってない…って感じですか?」
『…』
やっぱこの子怖い、色々な意味で。数日前エルヴィンに言い当てられた時と同じものを感じる。
「お相手ってリヴァイ兵士長ですよね?」
『…』
「そうなんですね?」
『…』
何なんだこの子は。さっきから図星突いてくるんだが。まあ分かるか。私とリヴァイが一緒に帰ってるのを目撃した人はいると思うし。
「うまくいってないんですか?」
『そもそも好きじゃない…。けど絆されてる。…多分。』
だから書類が進まない。だからミュゼルに手伝ってもらっているのだ。
「仕事では良くないですが…、まあいいんじゃないですか?仕事では良くないですが」
そこ強調するな。
『いい年した女が男との関係に悩むなんてね…。』
あの潔癖症に情が湧いてしまったのか、それは負けた気がして認めたくない。
「もう認めてないですか?」
『え』
「硬く考えすぎなんですよ。えっと…それモブリットで考えますか?
モブリットには悪いけど。」←
『考えないな。
モブリットには悪いけど。』←
「じゃあもういいじゃないですか好きで。」
『絶対嫌。』
敗北感がするので絶対嫌。無理。
「……Aさんって案外子供っぽいですね。」
『何か言った?』
「いいえ」
まあ、諦めが悪いのは認めるかな。この前の埒あかない事件でもかなり抵抗したからな私。
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枝豆(プロフ) - いんこぷりんさん» ありがとうございます!楽しく読んでいただけているとは…。とても嬉しいです。これからもこの小説をよろしくお願いします! (2020年6月1日 22時) (レス) id: d4fe53da6f (このIDを非表示/違反報告)
いんこぷりん(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます。お受験、枝豆さんにとって素敵な春を迎えられるよう祈ってます!コロナまだまだ怖いですがご自愛ください(^^) (2020年5月29日 1時) (レス) id: a01a78f710 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:枝豆の皮 | 作成日時:2020年5月6日 23時