page49、哭 ページ4
語り終了
再び溜め息を吐いた。力が抜けたようにピアノの椅子に座り込んだ。
『ざっとこんな感じかな…。おかしいでしょ。』
「…何がだ。」
『もう終わった、過ぎ去ったことなのに引きずって。感傷的になって。』
自嘲めいた笑いが出る。止められない。それを止める気力も湧かない。
『たまに思うの。私は、両親にとって邪魔だったんじゃないかって。』
自分でそれを言った瞬間涙が出てきた。駄目だ。流しても変わらないというのに。もうこの話で泣くのはやめようと決めていたのに。
「お前な、」
リヴァイの声が聞こえたと思った瞬間、
温かいものに包まれた。ああ、抱き締められているのか。背中に腕が回されている。
「昼間あれだけ言っといて何だ?分かってないのはお前の方だろ。
俺だったらどうでもいい奴が危険な場所行くのを引き留めたりしねぇよ。」
『え…』
リヴァイの右手が私の頭を撫でた。それが凄く嬉しくて、再び涙が溢れた。
人前で泣いたのは久しぶりだ。兵団に入って割りきっていたものも、自分の生い立ちについても今は関係なくなっていた。
ーーー
ついにやってしまった…。
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枝豆(プロフ) - いんこぷりんさん» ありがとうございます!楽しく読んでいただけているとは…。とても嬉しいです。これからもこの小説をよろしくお願いします! (2020年6月1日 22時) (レス) id: d4fe53da6f (このIDを非表示/違反報告)
いんこぷりん(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます。お受験、枝豆さんにとって素敵な春を迎えられるよう祈ってます!コロナまだまだ怖いですがご自愛ください(^^) (2020年5月29日 1時) (レス) id: a01a78f710 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:枝豆の皮 | 作成日時:2020年5月6日 23時