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『完敗です。完敗。』
宗「なんだね。」
『私の今日の役目は、真実を隠すための会見をすることをお願いすることでした。実際、私もそうすべきだと考えていました。ファンのためにも、軽率な考えで行動しているのならば、何が何でもそうしてもらうことも考えました。』
宗「僕が素直に言う事を聞くと思うのかね？」
『それでもです。』
宗「ほう。」
『でも、違いましたから。…なんと言うか、流石ですね。だから、完敗です。』
素直にそう思えた。
私がそう言うと、彼は満足そうに笑った。
『どんな人なんです？』
宗「…正直、人前に出せるようなものではないのだよ。粗相も目立つし、やかましいからね。女性として如何かと思う行動ばかりなのだよ。」
『え…？』
宗「ただ、まあ、あの子の作る作品や世界観は、僕にいつも刺激をくれる。きっとこれから世界に名を轟かす最高の芸術家になるだろうね。」
と彼がそう言った瞬間だった。
「シュウーーーーーーーー！木が欲しい！彫りたい！でっかいの！」
バタンッとものすごい勢いで部屋に入ってくる、少女。
直前まで見たことのないような優しい顔を見せた斎宮さんが一気に険しい顔になる。
宗「ノンッ！やかましいのだよ！今日は打ち合わせをしていると言っただろう！と言うよりあの家で大きな彫刻を掘るつもりかね？」
「そうそうー！もう作りたくってウズウズしてるの！」
宗「そう言いながら椅子に彫刻刀を向けるのをやめたまえ！少し小さいものになるが後で用意するから早く戻るのだよ！」
わーわー言いあうのを側で眺める。
斎宮さんは顔を顰め怒っているものの、どこか優しい雰囲気だ。
しばらくして、堪忍したように、少女は部屋に帰っていった。
斎宮さんは、やれやれと椅子に座りなおす。
宗「すまなかったね。…彼女が僕の婚約者なのだよ。」
『なるほど…』
宗「なんだね。」
少しの間、この2人を見ていただけなのに…
チグハグなようで、お似合いだな、なんて、思えた。
『素敵な方ですね。…この先、少し辛いことがあるかもしれませんが…どうか、お幸せに。』
私は荷物をまとめ、「お邪魔しました」と部屋を出ようとした。
宗「僕はね、人が人を愛することに立場なんて必要ないと思うよ。お互いの気持ちさえあるのならね。」
今、この時に彼が言ったからこそ、その言葉は私の中に強く残ることになる。
私は、失礼しましたと、振り返らず、部屋を後にした。
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玲桜（れお）(プロフ) - 氷雨さん» コメント本当にありがとうございます！続編の方、近日中の公開となります！もうしばらくお待ちくださいませ……本当にお待たせいたしました！！！！ (5月11日 2時) (
レス) id: 2613a2065b (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - あ〜…この小説は神ですか?神ですねはい。すっっごく私好みの!小説!です!作者様ありがとうございます｡･ﾟ･(ﾉ∀`)･ﾟ･｡続編を是非ともください!あっ、作者様が無理しない範囲で!待ってます! (2022年12月13日 1時) (レス) @page50 id: 14f43c169e (このIDを非表示/違反報告)
玲桜（れお）(プロフ) - クロウサさん» ありがとうございます！！続編ですね……！！検討します！ (2022年12月5日 22時) (レス) id: 0fa042ec4d (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - 私は、続編があってもいいと思います。 (2022年12月5日 22時) (レス) @page50 id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
玲桜（れお）(プロフ) - のっといこーるさん» 更新お待たせしてしまい本当にすみませんでした(・ω・ ；)楽しんで貰えたなら本当に良かったです！！ありがとうございました！！ (2022年12月4日 1時) (レス) @page49 id: 0fa042ec4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玲桜（れお） | 作成日時：2020年4月2日 14時
