転 入 勧 誘 されてます【呪術廻戦】

39話　「厄介な呪術師だ」 ページ39

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『我に従い、我にその眼を預けよ』


まるで、誰かの言葉を借りたように、
はっきりと透見は言う


「…！ 俺としたことが、順番を間違えて
しまったか」


伏黒と透見の目の前に現れた宿儺は、
透見を見て少し笑った


「この俺を操れるとは小娘、お前も厄介な呪術師だ」

『…………』


透見は"操っている"宿儺をただ睨みつける
だけだった


『………っ』


「しかし、完全には操れていないようだ。
現に、俺はお前の術式に抗えている。」


「(なんだ…一体、透見は宿儺になにをしている…！？今、何が起こっている…？分かっていることは、透見の左目にとてつもない呪力が宿っていること
だけだ)」



「小娘、お前を取り込むのも殺すのも
今日はやめておいてやろう」


宿儺は透見の肩に手を置いた
何も力は加えていない


「……………」


透見は瞬き一つすると、意識が途切れ、
宿儺に寄りかかった


「透見！！」


「意思と無関係に術式を使い呪力を使い切り
気絶しているだけだ」

「…透見を渡せ」

「言われなくてもそうする」

宿儺は乱暴に透見を投げ捨てるかのように
伏黒に渡した

伏黒は透見を受け止め、気絶する透見を
自分の後ろにそっと寝かせた



伏黒の術式は両手を使う
目の前にいる宿儺との戦いは終わっていないのだ


「さっき、一体何が起こっていたんだ。
透見がオマエを操っていたって」

「簡単な話だ、小娘は俺の視覚を操っていた。
だが、やはり俺が相手では完全に操れなかったようだ
俺を操ることに精一杯で呪力を全て使うとはなんと
愚かで、面白い」



宿儺は伏黒の後ろで横になっている透見を
見た

伏黒は透見を守るかのように片方の手を広げた





「小娘、あの術式を完全に扱うことが
できた時に殺してやるから楽しみにしていろ」


『………』


透見に宿儺の声は届いていない
しかし、さっきまで両目とも閉じて気絶を
していたというのに、透見の左目はぱっちりと
開いていて、不気味であった





「よし、話は終わりだ
続きをしよう、伏黒恵」


「……ああ」

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