君との温度差 part3【黄瀬 涼太】

温度差…115 黄瀬side ページ27

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「……もーそんなに言うならしょうがないからなってあげる！」






しばらく笑いあったあと、上から満面の笑みを浮かべて俺を見下ろしてそう言い放つAっち。





そんな会話ですら、愛しくて。






まるで昔に戻ったようだ。






「……なんスか、それ…！でも、仕方ないからなってあげるっスよ！友達！」






少し目に涙を溜めながら、ニヤニヤしたまま階段を登る俺は、きっと周りから見たらなんだこいつ、だったと思う。






「違う！私がなってあげるのー！」なんて、Aっちが抗議する。





頬を膨らませて怒るAっちが、どうしようもなく、かわいくて。




……思わず抱き締めてしまったのは、Aっちが可愛すぎるのが悪い。





なんて言い訳しながら、ギュッときつく、その腰を抱き締める。




「……え、…な、あの…っ」






……さっきまでの威勢はどこへ言ったんスかね。




Aっちは顔を真っ赤にして手足をばたばたする。






……やっぱり、変わらない。






あの時のまま、覚えてる。






触れるといつもより少し熱くなる体温も、






この、ふわりと香る心地いい香りも、





その、照れ隠しの仕草も、







全部、全部、








俺が愛したAっちのままだ。

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