【セト】 緑のカエル と 生意気な子猫。 【カゲプロ】

その３０っ！ ページ32

(Aｓｉｄｅ)


　じりじりと焼ける地面。


　ゆらゆらと揺らめく陽炎。

　
　うるさい蝉の鳴き声、歩いても歩いても追いつかない逃げ水。


　
　まさに、真夏の、真っ只中。



　貴「あ〜〜〜つ〜〜〜い〜〜〜〜」


　カ「もうすぐ着くよー。がんばれー」


　貴「…欺いてる」


　カ「ば、ばれちゃった…」



　能力を解いたカノの顔は汗だくだった。


　ばれるってか、何も欺かなくても……。


　意味が分からん…欺くって能力はまぁ、便利だとは思うが、何故今使うんだ。


　
　カ「な〜にじーっと見てんの？」


　貴「ニヤニヤ顔キモイなって」


　カ「ひどいよっ！？」



　ホントのことだもん。

　しかも……


　貴「顔近い!!暑苦しい!!汗臭い!!離れろ馬鹿ノ!」


　カ「だから酷いって!! あ、頭掴まないで!!指がめり込んでるから!!痛い痛い!!」



　私はカノの頭を、強く鷲掴みをし、指を頭にめり込ませる。


　ふん、これで勘弁したか。



　セ「・・・・・・」


　貴「っ…、セトまでじーっと見てなによ」


　セ「え！？ あ、な、何でもないっすよ！」



　貴「・・・・？」

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あずきいろ

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