【#コンパス】真のあなたと型紙のあなた【逆ハー気味】 (ページ4)

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｢…どうしよう｣

『…』

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さっき廊下ですれ違った黒髪の嬢ちゃんが気になって仕方がねぇ。

あんな奴今までいなかったよな？

まさか新ヒーローでも来たのか？

だとしたらVoidollが全員に報告するよな？

とにかく俺は今名前も知らねえ女の後をつけている。

有り得ない話だが、侵入者とかだったら面白そうだしな。

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女が角を曲がった所で、

少し距離を空けて俺も続いて角を曲がる。

すると既にそいつは見たことも無い部屋の扉を開けていた。

『わあ…なにこれ…』

女がそう言うと同時に、全開になった扉の影から部屋の中を覗くと、

壁一面に"お父さん"と書かれているのが見えた。

なんとも不気味な部屋だ

俺だったら絶対にこんな部屋では暮らしたくない。

よく見てみれば、お父さんを募集してるだとか探してるだとか…訳わかんねぇ。

つーかアイツは扉が全開になってる事に気付いてねーのか？

なんて事を考えていたら、女は人形を手に持ったまま倒れるように床に寝転がった。

変なヤツ。と思いながらゆっくり女の部屋へと足を踏み入れてみれば、

途端に女の姿が豹変した___________。

『はぁ…？』

突然の出来事に驚いて、思わずそいつのすぐ傍まで寄る。

『意味分かんねーよ…っ、』

それなのに、俺は女のその姿を不覚にも美しいと思ってしまった。

そっと目の前でしゃがみ込み改めてその姿を見ると、

女が手に持っていた人形と、今の女の姿が全く同じだということに気付く。

何だこいつ、自分の人形抱きしめて寝てんのか？

そう思い、人形を女の腕の中から奪ってみせれば、

女は｢だめ…！｣と言いながら、俺の足首を掴んで引っ張る。

突然の出来事に抵抗できず、俺はそのまま体制を崩しその場に倒れてしまった。

『いってぇ…おいおい何してくれてんだよ』

そのまま上半身を起こし、辺りを見渡す。

…女がいない

そう思った直後、｢重い…｣と下から声が聞こえてきた。

『悪ぃ、起こしちまったな』

｢そ、そっちは、大丈夫… なの？｣

どうやら女の上に倒れてしまったようだ。

俺は先程腕の中から奪った人形を返し、

そのままそいつの顔をじっと見つめる。

すると女は顔を真っ赤にさせて目を逸らす。

『俺としては好都合だけどな？』

そう少しからかってみれば、

｢や、顔ちかすぎ、だめ、！｣

とか言って人形で顔を隠すもんだから

嫌でもこいつを俺のものにしたい、なんて思ってしまった。