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午前の授業が終わり給食の時間になっても万次郎は眠り続けていた。
"さっさと仲直りしろよな"そう圭介に言われたことを思い出すと私は小さい溜め息を吐き万次郎の元へと近寄った。
『……次郎、給食の時間だよ』
肩を軽く叩いたり揺さぶってみたけどいつもの如くなかなか起きない。
ケンカ中だからか余計にまたモヤっとする。
『今日揚げパンだって、起きなくていいの?』
「…ん"〜…」
顔を顰めて唸るだけで瞼は閉じたままだった。
そんな万次郎に私は痺れを効かせて『じゃもう起こさないからねっ』と言い放ちほっとくことにした。
クラスメイトの子達と会話をしながら給食を食べ、それを片付けると昼休みの時間に突入したのを見計らって教室を出た。
校内が生徒達の賑やかな声で溢れている中、私は隣のクラスの永瀬くんを呼びつけると彼は「あそこで話そっか」と人が少ない場所を指差し移動した。
風にあたり窓の外を眺める彼に向かって私は話し出した。
『ありがとう、時間割いてくれて』
「いやいやオレの方こそありがとな、わざわざ」
『え、あ、うん…。それで昨日の件なんだけど…そのなんというか…永瀬くんの気持ち、凄く有難いんだけど、その付き合うとかそういうのはまだ早い…って思ってて、だからその…、』
「ごめん、A。ちょっとタンマ」
『え?!あ、うん』
「昨日中途半端で終わっちゃったから最後まで言えなかったんだけど、…オレ、来月引っ越すんだ」
『え…?結構…すぐだね…』
「うん、親の仕事の都合でさ。場地とか仲良いヤツにはもう伝えてあるんだけど」
『そうなんだ…』
「だからその前に気持ち、伝えたかったんだよね。まぁオレなりのケジメってやつ」
『……』
「ん?引っ越すって聞いて寂しくなった?(笑)」
『え!?そりゃあ…寂しい…でしょ…』
「ハハッ、そう思ってくれるだけで嬉しいよ。…オレさAのそーゆー思いやりのあるとこ好きなんだ。オレに問わず普段あんま喋んない人に対してもそうじゃん?」
『そう、かな、』
「そうなんだよ、意外と人気だぞ?A(笑)」
『あっヒドイ意外だなんて(笑)…けど、ありがとう永瀬くん。…その、好きになってくれて…』
「いえいえ(笑)まぁ、引っ越す前にまたみんなで遊ぼうぜ」
笑顔でそう言う彼に対して私は『うん!』と返事をすると時間が許す限り永瀬くんとたくさん話しをした。
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@炭酸(プロフ) - ササミさん» ありがとうございます!! (2021年7月13日 2時) (レス) id: cb8d42f0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ササミ - 好きです!!! (2021年7月11日 20時) (レス) id: e6ad737842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@炭酸 | 作成日時:2021年6月15日 14時