変鉄もない平凡な日常を一変させる第一歩 ページ3
「うわー、でかいな。」
冬が開け、桜の蕾が、桃色の満開の花を咲かせる季節―――
私、
今はシャイニング事務所に入ってから1年のお試し期間後に、選ばれた者だけが進むことのできる研修制度、マスターコースの寮に来ている。
私は今年から、高校1年生。高校入学と同時に、プロの作曲家になりたいと言う己の夢を叶えるため学生生活と共に、芸能界について大切な事を学ぶ研修制度の1つ、マスターコースで研修する事となった。
本当は何処のアイドルグループの専属にはならず、様々なアーティストの楽曲を提供する作曲家を志望していたのだが、社長の意向により私はと或るアイドルグループの専属作曲家として此のマスターコースで学ぶらしい。
今は薄桜学園の入学式を終え、此のマスターコースの先輩方に挨拶を済ませる為に、此処へ薄桜学園の制服のまま訪れた。
早乙女学園の時も思ったが、あの有名なアイドル事務所、シャイニング事務所の社長、シャイニング早乙女が社長なだけあってか、寮も豪華で大きい。
私は只々、厳重な門の前に立ち、あんぐりと口をだらしなく開けながら建築物を眺める。
「お、やっと来たか。」
暫く、その場で呆然としていると、背後から突然声を掛けられて後ろを振り向く。
「日向先生、そんなに遅かったでしょうか?」
彼は現役のイケメンアイドルであり、シャイニング事務所の取締役も兼務している、Sクラス担当教師、日向龍也。私の担任だった人。
「いや、指定時間ピッタリだ。早速で悪いが、着いてきてくれるか?」
スタスタと早足で私を追い越し、マスターコース寮の門をくぐった日向先生が私を寮内へと手招く。
「はい、分かりました!」
私は直ぐ様返事をして、急いで門の中へと足を踏みいれた。
これが私の何の変鉄もない平凡な日常を一変させる、第一歩である。
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作者名:櫻餅 | 作成日時:2017年5月29日 10時