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2017年4月29日 中原中也誕生日記念特別篇 ページ14

「後は苺を乗せて………………よし、出来た!」

 あれから家に帰り、誰もいない広いダイニングキッチンで一人、中原さんの誕生日ケーキを作っていた。

 レシピを見ながら、試行錯誤の末、ショートケーキの完成である。

 生まれて此の方、ケーキなるものを作ったためか少々形は歪だが、味に問題は無い筈だ。

「後は中原さんの帰りを待つだけかー。」

 今日も矢張朝から居ない、中原さん。一体全体お帰りは何時になるのやら。

「早く帰って来て下さいよ、中原さん。」

 出来上がったばかりのケーキを見詰め、ポツリと小さく呟いた。折角作ったのだから、食べて欲しい。

 ケーキ、痛んじゃう前に冷蔵庫の中に仕舞っておこう。





 ガチャッズデッ

 中原さんを待ちくたびれ、何時の間にか、テーブルに突っ伏して寝てしまっていたらしい。

 玄関の戸が開く音に起こされ、ハッと目を覚まし頭が一瞬にして覚醒した。

 ふと時計を見るともう夜中の1時。

そして今の扉を開ける音と、何かが床に転がった音は多分中原さんによるものだと考え、ヒタヒタと裸足で廊下を歩き、玄関まで中原さんのお出迎えに向かうと―――

「な、なか、中也さん?!」

「よお。」

 真っ赤な顔をして、フローリングの上に転がる中原さんの姿があった。何時ものシャキッとしていて、小さくても格好好い中原さんの姿とは全くの別物で余りの驚きに、ついうっかり、中原さんと呼び掛けてしまった。

 危ない危ない。

「お酒くさ。」

 兎も角、床に寝そべり、上機嫌な中原さんを起きたがらせようと近付くと、アルコールの匂いが鼻孔を刺激し、思わず鼻を摘まむ。

「先刻迄、かじいと呑んできたんだよ。連絡したらろ?」

 酔ってる割りには、ハッキリと回る舌でそう告げる。私はポケットから携帯を取りだし、メールボックスを確認すると、確かにその連絡が来ていた。

どうしよう、夕飯作っちゃった。まあでも、どうせシチューだから明日食べればいいかな。と速攻で夕飯問題は解決させる。

そんなことよりも、今は此の中原さんだ。此の状態の中原さんを、自室まで運べるかな。

「中也さん、部屋に行きましょう。ほら、床は冷たいですから。」

そういって、中原さんの目前でしゃがみこみ、手を差し伸べる。

「おお……ん、何か甘ぇ匂い。」

「嗚呼、先刻迄、ケーキを作って―――」

 ガブッ

「ひっ?!」

いきなり中原さんが私の肩に顔を埋めてきたかと思うと、思いっきり噛みついてきた。

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座敷わらし(プロフ) - 夕霧さん» 有り難う御座います! (2017年7月25日 20時) (レス) id: 3af3fdf8cd (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - とても面白いですね! 更新楽しみにしています! (2017年7月23日 1時) (レス) id: fb8453ace7 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - きせつふう。さん» ありがとうございます!中々更新できていませんが、頑張ります! (2017年5月29日 22時) (レス) id: 087f4a5487 (このIDを非表示/違反報告)
きせつふう。(プロフ) - 続き気になります.....!更新待ってます!とっても面白いので頑張って下さい! (2017年5月26日 20時) (レス) id: 1841832f9e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 椿さん» 有り難う御座います! (2017年5月12日 19時) (レス) id: e75982502b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻餅 | 作成日時:2017年4月20日 18時

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