【twst】 TIME OVER -第一節-Ⅱ【逆トリップ】【男夢主】 (ページ26)

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その日の夜。

まさかこんなに人の為に動くなんていつ以来だろうな。ユウ関連では何度もあるんだけどな。そう思って馬鹿らしくなってきて笑ってしまった。

『……これか。ヴェラ国に代々伝わる"空間転移魔法"。』

俺はその本を開いた。魔法陣の方が安全性があるんだな。でも時間はかかる。それでも死なせるなんてことしたらユウに怒られてしまうし自分も合わせる姿が無い。

I「しっつれーしまーす……ってうわっ、なんだコレ。」
『あぁ、他の資料か？それは他の所に置いてくれ。』
I「……"空間転移魔法"使う気なんか。」
『……！』

ベンの言葉に俺はｿﾞｸﾘと肩を震わせる。会ってつるむ様になってからは聞いたことの無いドスの利いた声が聞こえて俺は資料から目線を外した。

『そうだが。何か不満でもあるのか。』
I「いや、俺は無いよ。でもその魔法って頑張っても60年は間開けないと失敗するって言われてる魔法やん。」
『そうだ、それを承知で使う。俺等にはいらないものだからな。』
I「……ホントにそう思っとるん。」

……思っているわけがないだろ。でも仕方ないんだ。ユウには幸せでいて欲しい。だからこそ俺の人生を賭けてまｄ(((I「お前俺の固定魔法忘れてるなんて言わせねーぞ。嘘なんてつくな。」

『……そうだったな、お前には考えてること丸見えなんだった……』
I「悟りの魔法舐めんなよ。嫌になるくらい聞こえてる。お前も記憶ので分かってんだろ。」
『分かってる。……知っているさ。でもアレはアイツ等が使うべきものなんだ。』

俺はベンから目を逸らして口を噤む。口では此奴には一切勝てないからな。
心は読まれるし、自分の性格上、頭で考える癖がバレてたり……

I「……別に俺等はええねん。あっちに心残りはないねん、でも……一番心残りがあるのはお前やろ、A。」
『そうかもしれないな。……いやそうだろうな。でも俺にはもう戻る資格なんてない。』
I「A……お前なぁ……！」

ベンは俺の目の前に立って俺を指さす。

I「ええか！ここは戦国の地だ！いつ死ぬか分からん状態でお前のやりたい事やらんでどうする！！」
『ベン……』
I「別に帰らなくてもええ。でも今のうちに出来る事はやっとき。」
『……そうだな。そうしよう。ユウと同じ世界で会えるのはこれで最後かもしれないしな。』

戦争はどう足掻いても戦況が変わらない限り、勝てる事はない。
だからこそ俺の残された……後”10日間”を……