【twst】 TIME OVER -第一節-Ⅱ【逆トリップ】【男夢主】 (ページ14)

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A氏の声がいつもより苦しそうな表情に変わる。

『だから俺はそんなに強いような人間じゃないよ。でも立ち直りは早い方がいいよね。』
イ「立ち直り？」
『そう。いつまでも落ち込んでても意味ないしね。俺はその子の事探し始めてここに来たってわけさ。』

そう言ってA氏は笑ってソファに寝転がる。

『まぁ俺が立ち直れたのは自分自身が嫌いだったからってのもあるかもな。』
イ「嫌いだから？好きだからの間違いでは？」
『いや、あってるよ。嫌いだった。だから自分がどうやったら好きになるか考えた。そしたら自分の事を褒める事だって気づいたんだよね。』

自分の事を褒める……？え、なんかそれあれじゃん。ナルシストになれって事？？

『1日10個褒めるんだよ。例えば……生きていること、皆と話したこと、ご飯を食べた事……』
イ「そんなにレベル低くくていいの」
『うん！いいんだよ！生きているのも病んでる時には思えなかったしご飯を食べられない子供も沢山いるしな！』

レベルが低すぎて動揺してA氏に聞いてしまったけど満面の笑みで返された。

『後は……ライバルを作るとか？』
イ「ライバル？友達じゃなく？」
『そう……自分の得意な事で戦える相手……かな。』
イ「あ、そっか。ベン氏もリユ氏もそうだった感じ？」
『あぁ。2人は俺親友であり好敵手だ。負けたくないから頑張って得意な事を極めようとする。そんな事してたら1日24時間じゃ足りねぇ！って感じで夢中になれるから。』

確かに拙者もゲームじゃ負けたくないからずっとやってるし、1日24時間じゃ足りないって思ったことあるかも……

『人には苦手な事とか嫌いな事があって当然だから。だから苦手な事を得意な事でカバー。俺は計算系無理だから交渉術は得意だからそれを使って教えて貰ったり……ね？』
イ「なるほど……得意な事を作るってのも大切なステータスってわけっすか！」
『そういう事だ！！』

興奮して僕等は立ってしまって我に返って笑ってしまった。

『別に自分が嫌いでも大丈夫だよ。俺もまだ嫌いだし。でも褒めてあげて。君はちゃんと生きてるんだから。』

これあげる、とA氏はフェンネルをくれた。

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オ「兄さん！お帰り！」
イ「ただいま。」
オ「あれ？それって……」

フェンネルの花言葉は……

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フェンネル{賞賛}