【あんスタヤンデレ短編集】狂いは全て、愛ゆえに。 (ページ4)

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瀬名泉と二つの仮面② ページ4

プロデュースも終わり、帰宅途中。誰かがずっとついてきていることに気づいた。ずっと一定の距離を保ってついてきている。自意識過剰とか、そんなんじゃない。

私はふりかえり、さっきからついてきている誰かに言う。本来はきっと話しかけちゃいけないんだろうけど、あの気味悪い手紙でイラついていたし、少しおかしくなりそうになっていた。

「あの、なんのようですか。いい加減、訴えますよ」

すると黒いパーカーを来ている…体型的に男の人は無言で走っていった。ひと安心して、家に向かう。

家につき、ただいまと言って中にはいる。奥の方から母親がこちらへ走ってきた。その顔色は、とても悪かった。

「どうしたの、お母さん」

「ねぇ、やっぱり相談しましょう！」

そう言って小さな段ボールを渡してくる。誰から送られてきたのかが分からない。

開けてみると、そこに入っていたのは、

─大量の手紙と、私が写っている写真。

手紙には、“愛してる”とか、“本当に可愛いね”とか”結婚しよう“とかとにかくそんなことばかり書かれていて、写真はどこから撮ったんだというものばかり。

「なんで、こんなのが…」

ある１枚の写真が目に留まった。着替をしている私。カーテンをしていたし、外から撮れるはずがない。じゃあ、じゃあ。

…私の部屋に、隠しカメラがあるってことじゃないか。

「お母さん、私の部屋に隠しカメラがいっぱいあるのかもしれない」

この家に、安全はないかも。そう伝えるとお母さんは誰か友達の家に避難しなさい、と言う。

「お母さんとお父さんは大丈夫だから、Aは少し避難したほうがいいわ。警察に連絡して、隠しカメラをとってもらう間だけでも」

お母さんが辺りを見渡し、カメラがないことを確認して私の部屋から服とか必要なものを鞄に詰めて持ってきた。

それと同時に瀬名先輩から電話がかかってくる。心配でかけてきてくれたらしい。

私が事情を話すと、オレの家に来なよ、と言ってくれた。お母さんもそれがいいと賛成してくれたので鞄を持って家を出た。

瀬名先輩が途中まで迎えに来てくれていた。