貧乏48 ページ3
瀬名side
俺たちKnightsは今日から遠征ライブなので朝早く起きて今はバスで移動中だ。思いの外今回はくまくんが約束の時間に間に合ったのでスムーズな出向となっていたはずだった。
こいつ、沖屋百合がいなければ。
何故かライブのゲストとして呼ばれた沖屋はこの前のことを気負いもせずのうのうとやってきた。沖屋は予定より5分遅い到着だったが。Knightsにとっては天敵たる存在かもしれないこいつの本性をどう見抜くのか、見ものであると思う。
見ものではあるのだが、これとそれとは別である。何が別だって?
「瀬名くんの隣に座れるなんてやっぱり嬉しいな。私って幸運!」
こいつが、ショッピングモールであった時のことをあたかも忘れたかのような素振りで俺に構ってくることだ。
今も席が隣だった。まったくいい迷惑である。
しかし本当に幸せそうな顔をする沖屋は見ていて悪い気がしないのが俺の不安を煽ってくることでもあった。
前もこの隙につけこまれたんだ。今度こそ沖屋の思い通りにはならない。俺にはAがいるからね。もうAいがいの女に惑わされない、心を奪われない。
それにしても………暇だ。
まだバスで移動中。それも朝っぱら。眠たいが、沖屋が心配で眠れないのも事実。まぁ俺以外はみんなぐっすりだけど。
SNS最近更新してないや。
携帯を取り出しアプリを開く。すると沖屋が覗き込んできて「あっ」と小さく呟いた。沖屋も何か思いついたのか、自身の携帯で同じSNSアプリを開く。そしてあるフォロワーを俺に自慢げに見せた。
俺は仕方なく携帯を受け取ってスクロールしていった。恋する女の子の日常日記のようなものだった。自販機の前で会えたとか指が触れただとか。
そこで一枚の写真を見つけ俺は本能的に止まってしまった。
このカフェオレを持った写真、あいつが持ってたような。
さらにスクロールすると、愛らしい文章とともに手の写真が現れた。
この人って、まさか。
この手って、まさか。
「そういえば、私この手見たことあるんですよね。」
沖屋は俺の手をとってそっと撫でた。
「瀬名さんの手にそっくり。不思議に思ってネットで瀬名さん調べて手を私もスクショして鑑定に出したんですよ。じゃあどんな結果でたと思います?」
この手はどう見ても____。
「一致しちゃいました」
さっきの笑顔と裏腹な悪魔のような笑みに悪い予感がした俺は、喉をごくりと言わせ少し距離をとった。
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玲瓏(プロフ) - 及川チーハ君さん» あんスタ大好きで夢小説に手を出しちゃうレベルなので同志がいると嬉しいです!夏目くん私も好きです!奇人として、魔法使いとして、かこいいです! (2018年4月2日 13時) (レス) id: 61f6f362dc (このIDを非表示/違反報告)
及川チーハ君 - 私もあんスタ好きです! 夏目おしです!! (2018年4月1日 22時) (レス) id: 637e39b655 (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - キメラアントですかね、やっぱり。ヨークシンでの腕相撲の時や、傘で戦うのも最高すぎます!いいですよー、私からしときますね。 (2018年3月31日 20時) (レス) id: 61f6f362dc (このIDを非表示/違反報告)
*りんご飴*(プロフ) - 玲瓏さん» 個人的には、「家族?何それ」のところが大好きなんです!あと、キメラアントの蟻の女王との戦いとか!ーーフレンド申請してもいいですか? (2018年3月31日 17時) (レス) id: 1780da2649 (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - わかります。強いし、かっこいいし、火使うし、クールだし。身長低いし最高です!同意、ありがとうございます! (2018年3月29日 12時) (レス) id: 032a8832e7 (このIDを非表示/違反報告)
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