【あんスタ】能力よ目醒めよ

能力の勧誘 ページ8

Aside


なんで泉や夏目くんが倒れてる？


なんで天祥院英智がこの体育館にいる？


「やぁ、GクラスのAちゃん」


天祥院は楽しそうに私の方へ近づいてくる。私も地上に体を戻し、天祥院英智を睨みつけた。


「怖い顔、しないでほしいな」

「泉と夏目くんに何をしたの、天祥院英智！」


こいつが今の夢ノ咲の仕組みを作り私たちを陥れた当事者。絶対にいつかは勝ってやろうと思っている相手だ。


「少し眠ってもらっているだけだよ。僕の能力でね」


天祥院英智の能力………！夢ノ咲史上最強と謳われる具現化系能力のことだろう。流石だとしか言いようはない。現に今、一瞬のうちに泉と夏目くんは戦闘不可能な状態だ。


「今日は君に用があってきたんだ」

「私に？」


Sの天祥院がGの私なんかに用があるなんて珍しいことだ。まずGはSに喋りかけることが出来ないというルールが存在するため交流だってほとんどない。


「君を僕たちのユニット、fineに勧誘しに来たんだ」

「勧誘！？」

「そう。君の力は僕らfineなら最大限に発揮することが出来る」


勧誘………？この私が？


Sからの勧誘ということが意味するのはGからの脱出だった。でたい、このGから出られる！


でも、私には今は＿＿＿＿＿＿＿＿仲間がいる。


倒れている泉たちの方を私はちらっと横目で見た。


私がfineに入ったら、泉はどう思うのだろうか。表面上喜んでくれるとは思うけど、それよりも多分裏切られたって孤独を感じるのではないだろうか。



fine、最強ユニット。リーダー天祥院英智。
私たちにとっては宿敵！


「お断りします！」

私はGで泉と夏目くんと一緒に強くなりたい。



天祥院は思ってもいなかった返事だったのか目を細めた。
Gからの脱出は夢だけど一人だけじゃやっぱり嫌だしね。


「残念だよ。入りたくなったらいつでもおいで、歓迎するよ」


そのまま私は天祥院の背中を見送った。



倒れている泉と夏目くんを見て強くならなきゃ、と痛感し、私は純銀のブレスレットを握った。


「起こさなきゃ」

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