能力の恐怖 ページ22
Aside
私はなにをしているのだろう。
もう五分ほど正座させられています。正直もう結構足が痺れて痛いです。だって普段正座なんて正月くらいしかしないんですよ。
なんでこんなことになったか………ですか。
あれです、あれ。起こし方です。
昨日散散ダメだと言われたのに思わず零さぁぁぁああああんって叫んで起こしちゃったから怒られてるんです。
「ごめんなさい零さん………?」
上目遣いで謝ってみるが今日はご立腹のようで、なかなか許してくれない。孫アピールはかえって怒らせるだけだ。
「その、足も痺れてきたし妖術の練習を………」
話をそらそうとすると直径15センチほどの十字架が飛んできて床に突き刺さった。
「ヒィっ」
今ちょい床にデストロイ使ったよね!?マジで零さん怖いよ!殺されちゃうよ!
まぁ私が悪いんからなんとも言えないんだけどね!マジでなにも言えねぇ。怖い。
「A、次からは?」
零さんの何時よりも幾分も低いイケメンボイスに息を飲む。
威圧感ハンパない。
「つ、次からはちゃんと揺さぶって起こします!」
「………で?」
必死になって言うと生理的に涙が出てきた。相当怖いのだ。
で?ってなに!?
で?って怖い!一文字で恐怖!
さすが夜闇の魔物………。
「その、許してください!」
今まで感じたことのない寒気とものすごいトリハダ。心臓も鳴り止まない。うるさいくらいにドキドキとパーカッション奏でてる。
怖い、不安だ、逃げたい、体がこわばって動かない。
誰か、助けて____!
ギュッと目をつぶった瞬間、優しい手が私を撫でた。
目を開けるとそこには優しい顔をして笑顔を浮かべる零さんがいた。そしてもう大丈夫じゃ、と私を包んでくれる。
よく状況が理解できず、え?と間抜けな声を出すと零さんは「すまんのお、ちょっと悪戯が過ぎたか」と申し訳なさそうに謝った。
「………零さん、どういうこと?」
悪戯って?今私の身に起こった今まで体験したことのないような恐怖は何?
何もかもが理解できない今の状態を察したのか零さんは子供のような笑顔を浮かべた。
「今、精神的恐怖に襲われたじゃろ?」
「うん、体験したことないような気が狂いそうな恐怖が襲ってきた!」
零さんは棺桶の上に足を組んで座った。その瞬間、後ろの窓から夕暮れの空が夕日と乱反射して、まるで零さんが人間とは思えぬような妖艶さを感じた。
「今のは《妖術》そのもの………じゃ」
145人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朝霧藍 - 気にしない方針で大丈夫です。ありがとうございました。 (2017年9月10日 18時) (レス) id: f5e9b9845d (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» いや、ありがとうございますですが、、、。似てても、もう気にしない方針でいいでしょうか?これも何かの縁です。朝霧藍さんも頑張ってください!わざわざありがとうございました! (2017年9月10日 12時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧藍 - 読ませていただきました。たしかに、似ている部分がありますね。でも、玲瓏さんの方が圧倒的に話の書き方が上手です。最初の一話読んだらその次も読みたくなってしまい、気づいたら全部読んでました。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年9月10日 11時) (レス) id: f5e9b9845d (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» 朝霧藍様も少し読んでみていただけませんでしょうか。意見が欲しいです。最初の一話でいいので。 (2017年9月7日 16時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» 見てきました。確かに似ているような点もありますがよくある設定なので仕方ないかと。 (2017年9月7日 16時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ