検索窓
今日:28 hit、昨日:21 hit、合計:368,768 hit

ノスタルジアの夢 ページ42

一面真っ白な景色が辺りに広がっている。

ふわふわと微睡みの中に居るような感覚が体を包み込んでいる。

まるで実体が無いみたいだ。
此処は何処だろう…?

そう思ったのも束の間、非現実的な空間にすぐに夢の中なのだと理解する。
夢なんてもう何年も見ていなかったが、環境の変化が原因で深い眠りにつく事が出来ていないようだ。
などと、夢の中ですら冷静に分析を行う自分自身に呆れを感じていると、
真っ白な景色の向こう側に何処かの家の一室が見えてくる。
そこには1人の幼い少女、2人の男女の姿も見える。
何か話しているようだ。
次第に声が近くなってくる。

……。

2人の男女は泣いている。少女は静かにその姿を見つめる。

「ごめん、ごめんねA。でも、もう無理なの…っ」
「どうしようもないっ、親で、すまないっ…」

『…。』

「私達には、貴方をもう、育てる自信がないの…」
「お前を愛してあげたかった…でも限界なんだ」
「怖いの…貴方が怖いと思ってしまうの…っ」

その後、壊れた様にごめんを繰り返す 母 と 父 に 娘 は静かに口を開く。

『…いいよ、いいんだよ。』

『気にしないでおくれ。仕様が無いんだよ。』

『私は大丈夫。私を愛そうとしてくれて、ありがとう…』

優しく、優しく、

まるで、赤子を慰める様に、

齢4歳の 娘 はゆっくりと言葉を紡ぐ。

………。

2人の男女が部屋から姿を消した後、白衣を着た中年の男3人が入れ替わるように 娘 の前に現れる。
誰だっけ…確か……

あぁ、ダメ、景色が遠くなる…。





あの男達は何を言ってる?



聞こえない。



聞こえない。





最後に見たのは、何かを話し続ける男達を冷めた目で見つめ続ける 少女 の 黄色 い 瞳……… 。

勢揃い→←阿笠邸にて



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (167 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
429人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミコト(プロフ) - 1412さん» ……確かにっ(衝撃)ご指摘有難うございます!修正しておきます!! (2020年1月9日 22時) (レス) id: 9d332e4a56 (このIDを非表示/違反報告)
1412 - 思ったんですが、夢主さんが自販機でジュースを買っている話があったんですけど自販機に万札は入りませんよ?お話事態はとても面白かったです!! (2020年1月9日 21時) (レス) id: 927162caee (このIDを非表示/違反報告)
ミコト(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります! (2019年1月17日 1時) (レス) id: 442cac4e68 (このIDを非表示/違反報告)
なぎ(プロフ) - 凄く面白いです! 続き楽しみにしてます! (2019年1月17日 1時) (レス) id: a63d8a48ea (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミコト | 作成日時:2018年12月20日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。