最強組が、嫉妬させようとしてくる。

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五条の彼女さんも、夏油の彼女さんも、

タイプは違うけれど、どっちもかなりの別嬪さん。

私的には愛菜ちゃんを気に入っていたので、ちょっと残念な気がするけれど。



五条の隣にいるのは、赤みがかった明るい茶髪の、

ショートボブの女の子。可愛い系。

夏油の隣にいるのは、黒髪ロングの美人系。



…共通点としては、二人とも滅茶苦茶気が強そう。

そして…うん。さっきからめちゃめちゃ敵意を感じるな。

突き刺さらんばかりの鋭さで、こっちを睨みつけている。



いや、確かに、今の私は、

楽しいデート中にいきなり乱入してきた

気に食わない女っていう風に見えないこともないけど、

私も被害者なんだよ。


私だって関わりたくなかったよ！？

出来ればお互い見ないふりをして、そのまま去りたかったよ。



「わ、私も用事あるから〜この辺で〜さよーなら…」

「用事っつったってどうせ大したもんじゃねーだろ」


有無を言わせない口調の五条。

…いや、「絶対ついてくんなよ」って言ってたの、

どこのどちら様でしたっけ？

私の記憶が正しければ、それは間違いなく五条なんだけど。



えっ何、じゃああれはフリだったってこと？

何がやりたいねん、はっきりしてほしい。


「分かったならさっさとこっち来い」

「いや分かってない分かってない、全然わからないからそっちには行かな――」

「少し黙ろっか？」

「理不尽」


夏油の圧は怖い。正直、五条の凄みより怖い。

「……」

「――――」


そして、めっちゃ睨みますやん、お嬢さん方。

なんか既に、敵意とか悪意通り越して、

憎悪とか殺意の方にベクトルが振り切れちゃってる感じがする。


いや、この顔見て。

どう見ても乗り気じゃない人の顔でしょ、これ。


絶叫マシン全般苦手な人が、

ビッグサン○ーマウンテン強制的に乗せさせられる時と同じくらい、

嫌そうな顔をしている自信がある。


…絶叫系もホラー系もスプラッター系も、

全部全部大好きだけど。


「いいよな、みくる」

「構わないよね、麗奈」

疑問形じゃない辺り、2人の恐ろしさが垣間見える。

なるほど、みくるさんと麗奈さんか。っぽい名前だな。

いや、そんなこと言ってる場合じゃなくて。


…頼む、断ってくれ。

自分に殺意向けてくる人たちに懇願するのも、

それはそれで変な感じがするけど、

この際なりふり構ってる暇は正直ない。

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