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「隠し事するなんて、悪い子だね、A」
目を細めて、すっごい楽しそうに笑う夏油。
こ れ は や ば い 。
何か分からんけど、物すっごい嫌な予感しかしない。
どこかヤバいスイッチ入った感が半端ない。
理由も原因も今こうなってるわけも全部分からないけど、
本能で感じる。危険だと。
「友達に隠し事するような悪い子は――」
「ああっ、あそこのスーパーの棚にあるやつ、私が欲しかったグミ!!」
必殺、話逸らしの術。
私の突然の大声に、夏油は呆気に取られたみたいな顔をする。
――チャンス。
「夏油、なくなっちゃうかもだし、早くいこ?」
身長差を存分に利用した上目遣い。
ちょっと目をウルウルさせて、睫毛を震わせるのがコツだと、
お母さんが教えてくれた。
いつ使うのかイマイチ分らんとか思ってたけど、
ありがとう!マイマザー!おかげで助かったぜ。
「――そうだね。そうしようか」
さっきまでのやばそうな雰囲気は消え去り、
理知的な光が瞳に戻る。ほっ。
高専が目の前まで見えてきた時、
私は夏油にちょっと質問してみた。
「もし、仮に、万が一の話だけどさ。…私に好きな人がいてたら、夏油はどうするつもりだったの?」
「ん?そりゃもちろん、消すよ?」
「――え」
「…ゴホン、そりゃもちろん、応援するよ」
気のせいかな、1回目「消す」って言った風な気がしたんだが。
眼から光が消えてた気がするんだけど。
…うん、こういうことはあまり気にしない方がいい。
下手なこと言って、またあんな目に会うのも嫌だし。
私は何も気付かなかったふりをして、
高専の門を通る。
私は何も見なかったし、聞かなかった。
グミも買えたし、それで満足するとしよう。
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白音 - すっごく面白い!!更新、楽しみにしています!! (11月19日 17時) (レス) id: 24b42eab7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - さくらのきういさん» いえいえ、全然同担拒否とかじゃないです、むしろ好きなものを共有することができる人がいるって凄く素敵で嬉しいことですよ!!ですよね、エヴァ自体、ストーリーを良く知っている人がそんなにいないんですよね…。この作品を好きだと言っていただき、嬉しいです!! (2021年6月28日 7時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
さくらのきうい - カヲル君カッコいいですよねー。学校で話しても誰も知らなくって。あっ同担拒否とかじゃないですか?そうだったらごめんなさい。この作品すごく好きです!応援しています! (2021年6月26日 9時) (レス) id: 65d75c56ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - リリさん» 好きすぎるだなんて…照れます(*´ω`)面白いと言って下さり光栄です、ありがとうございます!! (2021年5月29日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - 赤ちゃんさん» マジですか!?良いかもですか!? (2021年5月29日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきのふ x他1人 | 作成日時:2021年1月19日 13時