【桜井良】Cherry blossoms

私の家 ページ6

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『あがってー！ くつろいじゃっていいよー』





「お邪魔します」





良は丁寧に靴を揃える。





私も小さい頃から良にうるさく言われていたため、靴を揃える様にしている





「あれ、意外と物少ないね、Aの事だからいっぱいあるのかと思ってた。」





『んー、物があるとゴチャゴチャしちゃうからさ。
お茶とか出すー？』





「お構いなく」





私の家に来てから良がとても笑顔。





『はーい、麦茶で良かったかな？』





コップを二つもって良が座っているソファーに向かう





「ありがとう」と笑顔で受け取る良だけど、なんだか表情がかたい





『ねねね、良。 すごい気になってた事があるんだけど聞いてもいいかな？』





「ん？ なに、A？」





お茶を飲みながら顔をこちらに向ける良





『良の口癖、〈すみません〉でしょ？ あれまだ続けてたの？』





「続けてるっていうか、もう癖だから……
それにAがそうしろ！ って言ったんじゃん……」





『あはは、そうだったねー！』




そう。


良の口癖の〈すみません〉は私が言い出したもの。





優しくなるには、ちゃんと謝れる人！
ってことで口癖にさせたんだっけ……




今考えるとなんだか申し訳ないな





「ほんと、Aは変わんないね」





少し呆れ気味な良





今日一日みてた限りだと、なんだか謝ってばかりで頼りない感じがするけど





私にとっての良は、とてもかっこよくて頼りになる自慢の幼馴染。





『でも、少しは女の子っぽくなったでしょ?』





えへ、と両手で顔の横にピースを作る





どーう？ と良を覗き込むと「はいはい」とデコピンされた





『痛いよ！ 良って私に対して酷くない？ 可愛い幼馴染は大切にしなよー』





「十分大切にしてますよーっと」







学校では絶対見せないであろう悪戯な笑顔でそう言った。









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