【桜井良】Cherry blossoms

転入生 ページ3

＊




『桐皇学園ってどこかなーっと』





今日は新しい高校に転入する日。


普通の子なら事前に見たりするんだろうけど、実は一昨日引っ越してきたばっかりで何も分かってなかったりする





『迷ってはないと思うんだけど……』





地図を確認してから、時間に余裕があるかどうか確認する


良かった、まだ間に合う


時間に余裕はあったけど、場所が分かったワケではないので
誰かに聞けないかと辺りを見渡す




ふと目についたのは、
肌の黒くて背の高い男の人と、隣に歩くとても美人な女の人



制服が同じだからきっと桐皇の人なのだろう





『あの、すみません
桐皇学園までの道を教えてもらえますか……？』





突然声をかけられて驚いた様子の女の人
近くでみると美人さんって事がよく分かる





「うちの高校？ もちろんいいよ！ 一緒に行こ？」





後から聞いたら、桃井さつきちゃんと言うらしい
隣の男の子は青峰大輝くん。





「それにしてもこの時期に転入なんて珍しいな？」





青峰くんがあくびをしながら問いかけてくる





『実は前までここに住んでたんだけどね、親の都合で急に帰ってきたの』





大変だね、なんて話をしているうちに学校に着いたらしい。





「それじゃあ、私たちはここで。
職員室はそこを左に曲がった所だよ
同じクラスになれるといいね！」





案内してくれた2人に頭を下げた。



職員室へ向かう途中、大好きな彼の背中が見えた




ここが校内なのと、久しぶりにみる幼馴染を驚かせようということで、ゆっくり近づいた。






『りょーっ！！』






「わわっ!？ すみません!？」






後ろから良の背中に抱きついた
案の定、とても驚いた様子の良





「え!？ どうしてAがここにいるの？」





『んー、お母さんとお父さんの気分？』





詳しいことはまた後で！
と、今度は良に正面から抱きつく





「ちょっとA！ 学校なんだから……」







渋々離れ、職員室へと向かった。




＊

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