【氷室辰也】Snowdrop

お昼 ページ10

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氷室くん保健室でおサボり事件から、3時間くらいたったお昼休み


学食が美味しいと評判の陽泉高校で、あえてお弁当を用意する私は、氷室くんが待っているであろう食堂へお弁当を持って向かう




「如月先輩、ここです。」




凛とした声が耳に届く。
奥のテールブルに、私の席を用意して待っていてくれる氷室くん。


そしてその隣には、一際目立つ大柄の男の子




『氷室くん、遅れてごめんね
え……と、紫原くん……だよね？』




流石に彼の事は知っている。
確か、《キセキの世代》って呼ばれているバスケの天才だったはず。


彼の事は生徒会でもよく話題になっていた。




「うん、そうだよ〜。キミは〜？」




『あ、ごめんね。私は如月Aだよ』




「こら敦。如月先輩は3年生で先輩なんだから、キチンと敬語を使って」




有名人っていうのは周りが自分を知っていても、自分は知らないからしょうがない。




『大丈夫だよ、敬語なんて必要ないから！
そんなことよりほら、お昼食べよ？』




さっさとお弁当を出す私に、氷室くんは何故か「すみません」と謝り


紫原くんは「お昼〜」と機嫌良さげに学食を食べ始める






＊＊＊






私がお弁当箱の半分も食べてない時、紫原くんが突然立ち上がった。




「やっべ、忘れてた。
今日、まいう棒の新作《照り焼き炒飯カレー味》の発売日だった〜。
ごめん室ちんオレ先帰るわ」




2mを越える巨体とは思えない程の速さで食堂を出て行った紫原くん。




『照り焼きなのか炒飯なのかカレーなのか想像つかない名前のまいう棒だね。
紫原くんって、まいう棒好きなの？』




「えぇ、とても……」







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