【氷室辰也】Snowdrop

嘘泣き ページ12

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「そうだ、如月先輩。
如月先輩って彼氏いるんですか？




氷室くんどうしたんだろう。
恋愛話したいオトシゴロなのかな


恋愛話なんて、私は女友達ともあまりしないのに……。


最近の子はマセてるわね……。
おばさんはついていけな………ごほん。




『彼氏はいないよ。もちろん生まれてから今までって意味だ……よ……っ』




如月A、後輩の男の子に始めて泣かされました。



なんて、冗談だからすぐに嘘泣きをやめて…




「あの……先輩、Don't cry……
どうしていいのか……えっと………」




すみません、オドオドしてるこの後輩がとても可愛いので嘘泣き続行で。


どうしたんだろう氷室くん。
噂のポーカーフェイスを私、まだ1度も見ていない気がする。




『だいじょ……ぶ……
彼氏が……18年間…………いないだけ……だから……ふふふ……』




しまった、笑い声が零れてしまった




「如月先輩……
もしかして……、笑ってます？」




じーっとこちらを見つめる氷室くん。
ダメだ。もう無理




『あっははは！！ ごめんっ！
氷室くんがつい可愛いくてからかいたくなっちゃった。許してくれる？』




私が両手を顔の前で合わせると、氷室くんは「はぁ……」とため息をつく。




「嘘泣きなんてやめてください……
本当に泣かせてしまったのかと思って焦りましたよ……」




もう一度謝ると、「もういいですよ」と許してくれた。




「それと、可愛いなんて男に言う言葉じゃないです。可愛いっていうのは、如月先輩みたいな方のことを言うんですよ」




面と向かって可愛いなんて、初めて言われたかもしれない。
だからかは分からないけれど、異常なまでに鼓動が早くなった。




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