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STORY 30 ページ31

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side 柊花


あの後、大我やテツヤと別れて家に帰った。

無性に征十郎と話がしたくなって、部屋に入ってから電話をかける


「……もしもし、征十郎?」


『もしもし、どうしたんだい? 柊花から電話してくるなんて珍しいね』


「ごめんなさい、部活中だったかしら?」


『いや、もう終わったから大丈夫だよ』


その言葉に安心する


『それで、どうかしたのか?』


心配してくれているのか、いつもより優しく聞いてくれる征十郎


「…なんだか、無性に征十郎の声が聞きたくなってしまって…。ごめんなさいね」


彼女だからって、いきなり電話を掛けるのは迷惑だったかもしれない


『ははっ、僕としてはもう少し積極的にしてくれても良いんだけどな』


そう笑う征十郎。
征十郎の笑顔を思い出す

私は、あまり笑っていなかったから…
卒業式の笑顔が最後だったわね

新幹線で京都に行く征十郎を見送る時も、どんな顔していいか分からなくて…


『柊花、』


不意に名前を呼ばれる
電話越しでも、征十郎の声で名前を呼ばれるとドキドキしてしまう


「…………?」


何を言われるのだろう


『好きだよ、離れていてもこの気持ちは変わらないからね』


突然の征十郎からの告白。


「…ふふ、征十郎はいつも突然ね」


始めて会った時も、いきなり練習試合の話を出してきて…

始めて会った時、Aがいなくてちゃんと話せるか心配だったけれど…
征十郎は口下手で上手く話せない私の意見を、きちんと最後まで聞いていてくれていた。


「私もよ、これから更に離れる事があったとしても…征十郎が好きなことは変わらないわ」


私からも好きだと言ったのは数えるくらいしか無かった。

気持ちを伝えるのが恥ずかしくて、なかなか素直になれなかったけれど、今なら言える


「征十郎…、私を選んでくれて…ありがとう」


改めて言葉にすると自分でも分かるくらいに顔が赤くなる


『………驚いたよ。そんな風に思っていたんだね』


征十郎が目を開いて驚いているのが目に浮かぶ


『それは僕の台詞だ。柊花の側に居てやれないこんな僕でも…よろしくな』


それから、いつも通りの下らない話をしていた。


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れーね(プロフ) - ころさん» あああありがとうございますっ! これからも頑張りますねっ♪ (2014年2月10日 19時) (レス) id: a8ee3e0c57 (このIDを非表示/違反報告)
ころ - 面白いです! 続き頑張ってください! (2014年2月10日 19時) (レス) id: 462f952e5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:音央 | 作成日時:2013年12月23日 12時

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