【氷室辰也】Amur adonis

Everlasting happiness three ページ5

＊＊＊




「あれ……Aサン？ 」




『……？』




服を見て回っているときに1人の男性に声をかけられた。

高い身長、赤黒い髪の厳つい顔。



それは、大好きな彼氏が大好きな、お友達




『火神くん。 あれ、1人？』




「まぁ、今は1人っす。Aサンこそ、1人なのか？ です」




『無理して敬語にしなくていいよ
うん、今日は1人だよ』




ふぅん、とさも興味なさげな雰囲気。




『辰也はいないのか？ って顔してるね』




「いっいや、別に……」




ほんと分かりやすい子だなぁ




『辰也くんはまだ帰ってきてないよ。
今年の冬に帰ってくるはず……って、もう冬だけどね』




そう、辰也くんは今ここにいない。
もっと言うなら日本にいない




「まだ帰ってきてねーのか。
まぁ、辰也の事だし心配することはねぇと思うけど……」




『頑張り屋さんだからね、辰也くん。
だから私もいつ帰ってきても良いように頑張ってるんだ』




ふぅん、と二度目の相槌。




「まぁ、なんか困ったことあったら言ってくれ、ださい。
特に冬は危ないから」




『心配ありがとう。何かあったらすぐに呼ぶよ』




火神くんは消防士。
冬は仕事が多くて忙しいらしい。



また、と手を振りながらも欠伸が止まっていない





みんな、頑張っている。




私も頑張らなくちゃ





＊＊＊

Everlasting happiness four→←Everlasting happiness two

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す