Everlasting happiness twenty ページ22
***
『………かっこいいよ、辰也くん』
「Aも、凄く綺麗だ」
式場の控え室。
ドレスに着替えた私と、タキシード姿の辰也くん。
今日は結婚式。
あの日のプロポーズから、少しだけ経った暖かい陽射しの日。
風は心地よく吹いていて、窓を開けていても不思議と寒くはない、そんな冬の日。
辰也くんのプロポーズは本当に唐突で驚いたけど、アメリカから帰ってきた時に言っていたサプライズの意味が今ならよく分かる。
『辰也くん、こんなに立派になっちゃってさ。高校時代が懐かしいよ』
タキシードを着こなす大人びた彼は、困ったように眉を寄せる。
「Aの中のオレはまだ高校時代のオレなの?」
『や、そういうわけじゃないけど。
やっぱり出会った頃は上下関係のある高校生だったからさ』
辰也くんは「まあ……」と小さく呟く。
「……届けを出してこうして式を挙げているんだから……。対等な立場で、それこそこれからは旦那として、男として、みてもらいたいな」
それだけ言って、式の準備をしに部屋を出て行く。
『…………男として、なんて。
もうとっくにそうみてるよ』
辰也くんより年上でお姉さんだから。
引っ張らなきゃ、しっかりしなきゃ、そう思っていたけれど、辰也くんは私が思うよりずっと大人で。
子供のように照れ隠しをしていて、それが辰也くんを子供扱いしていて。
一番の子供は、私だ。
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音央(プロフ) - 織さん» ありがとうございます!次回作も頑張りますね、投稿するまで少しの間お待ちください…! (2015年3月24日 7時) (レス) id: f503ce939e (このIDを非表示/違反報告)
織(プロフ) - とっても面白かったです!!!!次のお話も楽しみに待ってます! (2015年3月24日 0時) (レス) id: 9e725c6790 (このIDを非表示/違反報告)
音央(プロフ) - 緋桜霧月 さん» その様なコメントを頂けるだけで書く気力が上がります! 不定期更新ですが暖かく見守ってください・・・! (2014年11月29日 7時) (レス) id: a8ee3e0c57 (このIDを非表示/違反報告)
緋桜霧月 - すっごく良い作品ですね!続きが待ち遠しいです…!! (2014年11月29日 0時) (レス) id: b416ced436 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:音央 | 作成日時:2014年10月16日 21時