3話 ページ3
コポ。コポ――。
水音が聞こえる。それに体が動かない。
ここはどこだ？ 目が開けられない。
苦しい、痛い。
痛みに耐えている中、突如ずるりと引っ張られるような感覚がした。
「全く、また厄介な……」
ぼんやりと聞こえたのは女性の声。けれどそれは酷く冷たいものだった。
なるほど、私はあまり祝福されてはいないようだ。
転生。あの子が見せてくれたWeb小説によくあった内容だが、まさかこんなに面倒なものだとは思わなかった。
とりあえず今は本能に任せ、ただただ泣くことが精一杯だった。
4年が経つと、この人の性格、言動のパターン、思考などのほとんど分かるようになった。
この人はいつも、おそらく私の兄であろう人のことを語り聞かせていた。
兄といっても私は一度も会ったことはない。けれど、名前くらいは知っていた。
昔、彼らに勧められて読んだ漫画にいたキャラの名前。
題名は確か、家庭教師ヒットマンREBORN！――。
「死ぬ気の炎、か」
おかしな名前だと思う。だって使うたびに生死の境をさまよっているような、死の淵に立たされているような。そのような印象しか浮かべられないから。
「お前もいつかその炎が出たのなら私に言いな。いつだって美味い飯に、暖かい布団に囲まれる日を送れるよ」
何度も聞かされたその言葉。
それを聞くたび私の胸の内は冷えていったが、試しにあの人がいない間にやってみればいともたやすく炎を灯すことができた。
手の上で燃える球体状の炎。意外と暖かいんだという印象が今も残っている。
けれど、結局私はこのことをあの人に話しはしなかった。
確かにこのことを伝えたほうが今よりはるかにいい生活を送れることだろう。
理由は、まあ、あの人――ボンゴレ九代目のような人が嫌いだから。
それに私はあのような、裏社会とはいえ華やかな場所には不似合いすぎる。
今までの立場、経緯とかは関係なく、ただ不似合いなのだ。
「はあ」
ため息をつくとその息は白くなっていた。そういえば少し寒い気がする。もう、冬なのか。
ここには時計も、カレンダーも、教えてくれる人も、何もかもがない。だから自分でどうにかするしかないのだ。
窓の外を見る。星の位置と月の角度から見て――。
「12月25日の20時、くらいかな」
ぽつりと呟く。誤差はあるのだろうが大体それくらいだろう。
12月25日といえばクリスマスじゃないか。今年も、こんなところで迎えるのか。
「……寒い、な」
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杏 - いえいえー当然の事を言っただけですー喜んで貰えて光栄ですよー それと､音域を広げる練習､頑張ってくださいー諦めずに頑張れば報われるはずですからねー ふむ､来月ですかーコトハ@白亜さんの小説は奥が深いのでーワクワクしますねー楽しみにしてますー (2015年8月21日 12時) (
レス) id: 7c8a29757a (このIDを非表示/違反報告)
コトハ@白亜(プロフ) - 杏さん» 返信ありがとうございます。そう言っていただけると作ってよかったと思えます…ありがとうございます。なるほど、その方法がありましたね…早速試してみようと思います。アドバイスありがとうございます。せめて再来月までに公開できるよう頑張ります…！ (2015年8月20日 18時) (レス) id: 5c05607229 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 大丈夫ですー､ミーも返信遅くなってすみませんー 気に入った作品にコメントするなんて当たり前じゃあないですかー 音域が狭い､ですかーピアノで音を取ると結構出やすいですよーあとは､歌いたい曲を練習してー音域を広げるのもいいと思いますー 続編､待ってまーす (2015年8月20日 15時) (レス) id: 7c8a29757a (このIDを非表示/違反報告)
コトハ@白亜(プロフ) - 杏さん» 返信ありがとうございます、遅くなってすみません！わわ、続編までコメントいただけるんですか…ありがとうございます！嬉しいです！音痴というか出せる音域が狭いんですよね…なので歌が上手い人羨ましいのです… (2015年8月19日 0時) (レス) id: 5c05607229 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - はいー､頑張って下さいー続編出来るまで此処を見に来たりしましょうかねー 一番に作品を見に行ってコメントしたいですー…音痴?そんなのカラオケが悪いんですー声の質は様々じゃないですかー (2015年8月17日 11時) (レス) id: 81089b7519 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コトハ | 作者ホームページ：
作成日時：2014年6月13日 17時
