太宰姉の苦悩。

寵臣の死。 ページ44

デットアップル事件から一週間過ぎくらいだ。


蓮が死んだ。


どうやら、Aが乗っていた船ごと沈んだらしい。


凛が凄く泣いていた。

蓮を慕っていた部下も泣いて居た。



Aはドストエフスキーを拷問を受け持ってたらしい。

それは、知って居た。

Aが死ぬのは、予想して居た。

蓮は、ドストエフスキーに目を付けられる前にこちらに戻れる様に作戦を立てた筈だった。


なのに、死んだ。


いや、彼は私を裏切ったのかもしれない。


何故なら死体が上がってないから…

彼は、妹のためなら何でも出来る妹思いのいい奴だから…


恐らく凛を人質に取られたか？


いや、凛を調べたが何も出なかった。


本当に、死んだのか？


裏切られたか…


ドストエフスキーは、そう言う少しずつ嫌な手を打ってくる小汚い鼠だ。




、、、



あぁ、8年も一緒に居たのに裏切られたのか…


寵臣としての君は死んじゃったね。


ハハッ、嬉しくなっちゃうなぁ。



…あーあ。もう、やーめた。



治を知る部下(広津以外)なんて消えたんだし、

私は私として成って見るのも良いかもしれない。
(決してドストエフスキーに言われた事を気にして居る訳じゃない。)


私の治の演技は所詮演技。


もう、毎日パーマかけるの飽きて居たんだよ。

髪はヘアアイロンのせいで痛んでいるし…



髪型は、ショートにしよう。ストレートの。前髪も作って。


スーツだって可愛いスカートにしよう。

治への嫌がらせで、ネクタイではなくタイにしよう。中也君と似たものを。

胸を潰さなくてもさして変わらない。

ベストも着る。

羽織るのはジャケットだけ。


・・・JK見たいになっちゃった。


まぁ、制服を着て見たかったから良い。


よし、丁度休暇だから乱歩君と治に逢いに探偵社に行って見よう。


休暇を伝えるため首領室に向かう途中、ジロジロと見られる。


ノックもせずに扉を開けようとすると護衛に止められる。



「私、幹部の太宰なんだけど…」


モブ「し、失礼しました」


「別に、いいよ。」



ガチャ



森「え、ちょ、え、しゅ、修華ちゃん？」


「今日から休暇使います。では。(ニコッ)」


森「いくら、蓮君が死んだからって思い切ったねぇ。」



そう、背に声にかけられ、一度立ち止まり振り返る。



「そうですか？」(悪い笑み)


「では。休暇を楽しみますね。」

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