太宰姉の苦悩。

組合諸君、帰るがいい！ ページ29

「下手に動かない方がいいよ。」
「ワイヤーで身体が切断されるよ。」



煙幕が晴れた先に居るのは、修華と上空で待機している筈のヘリコプター。


ヘリコプターの運転手は、修華に銃を突きつけられ脅されている。


そして、ワイヤーもヘリコプターのローターに繋がれている。



ジョン「マジかよ。」



「大人しく帰るなら見逃してあげるけど？」



ワイヤーは対異能力用なのか、ホーソーンの緋文字でも切れない。



そうしている内にヘリコプターのローターは回って組合構成員達は引き摺られて行く。



「うーん。じゃあ、こうするよ。」



そう修華は言うと、運転手の首に遠隔の爆弾をつけ、操縦桿に何か機械をつける。



「ワイヤーは、こうして…」



ヘリコプターをおり、ワイヤーをいじいじする、修華。



「じゃ、バイバーイ」



そう言うと何故か運転手が操縦してないのに、ヘリコプターの機体が動きだす。



どうやらさっき操縦桿に付けた機械は、ヘリコプターの操縦をハッキングするものだった様だ。


その証拠に、修華の手にはラジコンのリモコンらしきものがある。



組合構成員たちは、なんとか身体が切断されない様工夫しながらそのまま空に消えて行った。



タッタッタッタッ



そうにどうやら探偵社の応援がくる。



与謝野「大丈夫かい！」



あれは…探偵社の女医さんか、きれいだな。



カチャ。



そんなことを思っていると頭に銃を突きつけられる。



太宰「動かないで。姉さん。」



「わー。私の愛する弟、治じゃない。」



修華は、弟に銃を突きつけられてもなお、けらけらと笑っている。



太宰「姉さん。貴方は、紅葉さんと一緒に捕虜になって貰う。」



「うーん。やだ。」



修華がそう言うと太宰に銃を突きつける蓮。



太宰「へぇ、起きてたんだ。」



蓮「太宰元幹部。銃を今すぐ下ろしてください。」



しばらく硬直状態が続く。



太宰「あー、はいはい。」



太宰は、いやいやとでも言う様に銃を下ろす。



「蓮。」



蓮「はい。」



こちらも修華の声で銃を下ろす。



「よーし。帰ろう。」



蓮は、凛を背負う。凛は、ある程度の傷なら寝ることで治るのだ。



太宰「…」



「あ、紅葉達は好きにしていいよ？あぁ、あと、修繕費は組合に付けといてよろしくー。」



そう言って、修華達は公園を去って行った。

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