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「…ん」
ぼうっと 白い天井が目に入る
少し肌寒い… 起き上がろうと上半身に力を入れたが頭痛がして起き上がれなかった

パタパタと音がして窓を見る
さっきとは打って変わって雨が降っていた
「…道理で…寒いと…」
俺は身を縮めた

コンコン とノックが響く
どうぞと答える間も無く、誰かが入ってきた
足音がしない…
俺はなんとか頭だけ上げると、薄カーテンから一星が顔だけ出しているのが見えた
「あっ」
「あっ…一星…」
「…目が覚めましたか…」
一星は隠れるのをやめ、俺の隣に来る
「気分は… まだ、頭は痛みますか?」
「うん、 ちょっと響いてるみたい。でも意識はあるから大丈夫だと思う」
「そうですか… 良かった…」

俺は一星の目をじっと見る、嘘をついているようには見えなかった
…やっぱり みんな疑いすぎなんじゃないかな
「ああ、これタオルです。水は…飲みますか?」
そう言って少し小さめのタオル…ハンカチかな、それを俺に押し付ける
「うん、ちょっとだけ」
そう言うと一星はどこからかペットボトルを取り出し渡してきた
「はい!どうぞ!」
「あ、ありがとう…」
準備が良すぎてびっくりした
受け取って蓋を開けようとするが、力が入らず上手く開かなかった
「貸してください」
再び一星の手に戻る
カチッと音がしてキャップが外れたものをくれた
「ありがとう一星」
「はい!」
…悪いやつじゃ… 無いよなぁ…
そんなことを思いながら水を飲むと口に含み過ぎてしまい、俺は咳き込んだ



タオルを2〜3枚貰い受けて保健室へもどる
もうあいつは目が覚めているだろうか
次顔を合わせたら謝ると決めた以上、目が覚めていたら言わないとな

けど
(なんつーか… 言いずれぇ…)
一言、
ただ一言 "悪かった" と言えばいいだけだ
そう考えながら階段を上る
悶々と悩んでいると保健室の目の前だった

一度髪をかき揚げくしゃりと掴む
(…言やーいーんだろ…ったく)
扉に手をかける
「……とう…」

中から声がした
話し声だ
別に誰かが様子を見に来てもおかしくはない
俺はかけた手を離し、 耳を澄ます

「…貸してください」


…今1番聞きたくない声だった

(なんで… こいつが…)
全身が震えた
驚きと怒りと焦りが混ざっていく
無意識にタオルをキツく握りしめていた

今度は何を企んでいる
なんで今ここに…
どういうつもりだ
あいつは無事なのか!?


色々な言葉が一斉に頭をよぎる

走ってもいないのに
俺の心拍数は上がっていった

6→←4



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作品ジャンル:アニメ
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作者名:Rein | 作成日時:2018年11月19日 3時

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