【イナイレ】冷酷に、無情に【第三章】

第１０２話　反省 ページ7

お化け屋敷から出ると、泣き止まないAを近くのベンチに座らせ

自分もその隣に腰掛けて、自分にしがみつく彼女の頭を撫でながら慰める吹雪



吹雪「もう大丈夫だよ、Aさん。…ごめんね、まさかここまで苦手だとは思わなくて…」



シュン…と申し訳なさそうに眉を下げて謝る吹雪に

Aは首を横にふる



吹雪「でも、結局アジトの入り口とか、怪しそうな場所は見つからなかったね」



“入り損だった”という事実より

Aの感情は未だ恐怖に囚われており、ポロポロと涙をこぼしながら吹雪に抱き付くだけだった


吹雪は、お化け屋敷に連れて行ってしまった事を謝ったものの

その行動に後悔はしていない



それというのも、皆も知らないであろうAの一面が見れたからだ

更には今こうして、彼女は“自分だけ”を頼り、必要としてくれている


それが何より嬉しかったのだ



吹雪「…あ、そろそろ時間みたい。皆の所に戻ろう？」



近くに立っていた時計を見て、時刻を確認した吹雪は

優しくAに声をかける


お化け屋敷の中は意外にも広く、それに加え並ぶ時間も少々あったので

気付けばかなりの時間が立っていたようだ


他にも移動時間などを入れて計算しても、お化け屋敷内部で約３０分は彷徨っていた事になる


ただでさえ元々怖がりであるAが、休まる事のない恐怖に３０分も包まれていれば

いくら自分を持ち直そうとも、こうなるはずだ…


吹雪は改めて、少し反省した



Aを支えながら、ゆっくりと集合場所である遊園地の入り口付近へと向かう吹雪


その間も彼女はずっと自分の腕にしがみついており、その行動は吹雪自身満更でもないが

自分だけが知っているこの姿を他の人に見られ、知られてしまうのが嫌だった

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