【イナイレ】冷酷に、無情に【第三章】

第９７話　一時撤退 ページ2

円堂「染岡、お前…」


坂本「今の内に休んでおけ。でないと怪我が悪化し、治療期間が伸びるだけだぞ」



秋に促され、染岡はベンチへ座り怪我を見せる

ソックスを下せば、Aの言った通りひどい腫れだった



坂本「いつまでも隠し通せると思ったか。そんな事をしてもチームの為にはならない」


染岡「っ…」


鬼道「イプシロン戦は一週間後だが…それまでに染岡は…」


坂本「治るわけないだろう。無理をした結果だ、馬鹿者」


染岡「なっ！せっかく完璧になったワイバーンブリザードはどうなんだよ！！なぁ！吹雪！！」


吹雪「…ごめんね、気づけなかった僕のせいだ……」



自分を責め、目を伏せる吹雪

そんな中でやってきた瞳子がその事態に気付き、有無を言わさず判断を下す



瞳子「染岡くん、貴方にはチームを外れてもらいます」


「「！！」」


円堂「そんな…っ」


風丸「ッ」


坂本「風丸」



瞳子の意見に納得できず、言い返そうとした風丸を察したのか

Aは風丸が声を上げる前に彼の名を呼ぶ



坂本「吉良監督は間違っていない。今の染岡に必要なのは、フィールドに立つ事ではない。
大人しく治療に専念する事だ」


瞳子「彼はきっとチームのために無理をする。そうなればみんなが彼を気遣って、満足のいくプレーが出来なくなるわ」


風丸「でもっ」


染岡「いい、風丸…悔しいけど、坂本と監督の言う通りだ…仕方ねぇよ……
吹雪！雷門のストライカー、任せたぜ！！」


吹雪「…あぁ……」



染岡の離脱が心苦しいのか、吹雪の返事には元気がない

周りを見渡せば、他のメンバーも暗い表情を浮かべていた



染岡「なんだよみんな、そんな顔すんな！一時撤退ってやつだ！！また、すぐに戻ってくる！！」


円堂「必ず…戻ってこいよ！」



暗い空気の中、春奈が思い出したように声をあげる

それは、完成した木暮の新必殺技についてだった



イプシロン戦で、最後にシュートをカットした木暮

その技が完成したという事で、さっそくを皆に披露。


“旋風陣”と名付けられたその技は、

かなりの戦力になる事に間違いないだろう

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