【イナイレ】冷酷に、無情に【第一章】

第２９話　過去 ページ32

雷雷軒に駆け込んだ円堂達。

特訓で無茶をしたのか、円堂は鬼道と豪炎寺の肩を借りていた。



円堂「いててて…」


響木「随分と無茶をしたもんだな」



氷袋を額に当てる円堂は、どうやらマジン・ザ・ハンドの特訓をしていたようだ。

と、そこへ鬼瓦がやってくる。



鬼瓦「ひでぇ恰好だなぁ」


円堂「世宇子に勝つにはこれくらいなんともない！」


鬼瓦「威勢がいいのは良い事だが、勝つことに執念を燃やしすぎると影山みたいになるぞ」



４０年前のイナズマイレブンの悲劇から、雷門対帝国の鉄骨事件までの一連の不可解な事件を調べるには

影山の過去を知る必要があり

鬼瓦は冬海に会っていたらしい。


そして影山の過去を、知ることができた。



鬼瓦「奴の中で家族を壊したサッカーと勝ちへのこだわりに対する憎しみが、膨れ上がっていったんだろうな」


鬼道「勝つことは絶対。敗者に存在価値はない…影山が良く言ってた言葉だ」


鬼瓦「そのために、たくさんの人を苦しめてる…豪炎寺、お前もその一人」


豪炎寺「なに？」


鬼瓦「妹さんの事故に、奴が関係している可能性がある」



その言葉に豪炎寺は目を見開き、激しく動揺する。

そして今もまだ眠り続ける妹を想い、胸にかけた彼女にもらったペンダントを握る。



鬼瓦「そしてその為に、彼女は…」


円堂「え？」


鬼瓦「あぁ、いや。なんでもない」



何も耳に入らない豪炎寺の頭に浮かんだのは、幼馴染のAの顔。

彼女が仕えている男こそ、妹をこんな状態にしたかもしれない人物なのだ。


豪炎寺は、かつて手に取るように分かったはずの幼馴染の心が

今や雲に隠れたかのように分からなくなってしまっていた。



円堂「許せない…どんな理由があっても、サッカーを汚していいわけがない…間違ってる！！」


鬼道「影山はいまどこに？」


鬼瓦「まだわからん…しかし冬海が可笑しなことを言っていてな」



“プロジェクトＺ”とこぼしていた冬海。

どうやらその言葉に鬼道は覚えがあるようだ。



鬼瓦「どうやらその計画と影山が空にいるってのは繋がっているらしい」


円堂「プロジェクトＺと…空……何のことだ？」


鬼瓦「帝国にいたお前には、空と聞いてなにか思いつく事はないか」


鬼道「いえ…俺にはさっぱり」

第３０話　嫌な予感→←第２８話　応援

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す