第246話 教え ページ40
短い会話を済ませた後、自分のチームを彼女に任せ、男はグラウンドから出て行った
彼女が練習を見ながら、データに書き出している一方…
そのイタリアエリアに、鬼道たちの姿があった
影山を探しに来ていたのだ
鬼道「!」
ふと後ろを見ると、あの時見た影山らしき男が曲がり角へと消えて行った
眉間にシワを寄せ、その影を追うがそこに影山の姿はない
しかし
「待っていたぞ、鬼道」
どこからか、影山の声が聞こえた
鬼道「影山!!俺に何の用だ!!」
影山「それはお前が良く分かっているだろう。お前には私の考え方全てを伝えたからな」
影山の声が、薄暗い路地に響く
辺りを見渡せば、かすかに開いている扉が一つ
鬼道「ッッ」
そこにいるのかと思い、静かに駆け寄り扉に背を付け、中の気配を探る
鬼道「何の事だ」
影山「とぼけるのが下手だな。ポーカーフェイスが基本だと教えただろう。私の所へ戻ってこい」
鬼道「断る。あなたとは縁を切った」
影山「フッフッフッフ…Aは、戻ってきたぞ」
鬼道「!!やはり…っ」
影山「私の手から逃れる事は出来ない事は、お前がよーく知っているだろう」
鬼道「!っ…どうしてこんな所にいるんだ!!この大会で何を企んでいる!!Aや不動を取り込んで、何をさせるつもりだ!!」
仲間であり、自分の大切な人でもあるAの手を、また汚させるつもりかと
鬼道は表情を険しくして怒鳴るように言う
影山「鬼道、常に冷静であれと教えたはずだ。苛立ちは判断を曇らせる。そう考えるとAは私の教えを今も忠実に守っているな」
ポーカーフェイスであり、常に冷静なA
それはA自身の作りだしたもう1人の自分であり、影山の教えから完成した人格でもあった
鬼道「っ…アンタに聞きたい事がたくさんある」
影山「良かろう。ここまでやって来た褒美に一つだけ答えてやろう」
鬼道「では、本当の目的はなんだ」
影山「復讐だよ。私は日本代表を破壊する」
鬼道「!!」
影山「Aと並ぶ、私の最高傑作……お前との戦いを楽しみにしているぞ、鬼道」
鬼道「っ…影山ァ!!!」
思い切り扉を開けるが、そこには誰もおらず
向いの扉が開き外の光が差し込んでいた
誰かが今、出て行った事を証明するように
その扉はユラユラと揺れている
鬼道「っ!!」
鬼道も急いで後を追うが、そこにはもう影山の姿はなかった
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琴葵(プロフ) - 面白すぎて一気にシリーズを見てしまいました!!!更新楽しみに待ってます!!!!!!!! (2019年12月19日 13時) (レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 初コメ失礼します!お話を読んでとても興奮しました!豪炎寺の事が大好きな私にとってこのお話はほんとに神です!これからも楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2019年12月3日 6時) (レス) id: f531a252e9 (このIDを非表示/違反報告)
娘娘(プロフ) - 失礼します!いつも「冷酷に、無情に」の更新楽しみにしてます!とうとう6章ですね!これからも頑張ってください! (2019年11月30日 19時) (レス) id: c2f40fc0cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アメミヤ♪ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/masipage/
作成日時:2019年11月30日 19時