悲劇のヒロイン(笑)［歌い手］

解決方法 ページ23

それから来週の金曜日までいじめのようなものが続いた。



最初は消しゴム隠されたり．．．まあ、我慢できた。


でも今は上履き隠されたり机に落書きされたり
私は完全にいじめられっ子に
なってしまった。



幸い歌い手さんたちは美ヶ崎が悪いの
知ってるし、リスナーの人たちもニコ生で
知ってるし．．．




でもな。気になるんだよな。






『私の方こそ悲劇のヒロインじゃない？』






疑問が口に出てしまった



あわてて辺りを見渡し誰もいないか確認する。




(私、潰したいんだけどな)




そんなことを考えていると、





『っ！冷たっ！』




頭上から水が降ってきた。

見上げると、バケツと手が見える。






「当然の報いだよw」


「ちょっとやりすぎじゃない？ww」





笑い声と声が聞こえる


ポタポタ落ちては消えていく雫を見つめた。




あ、そっか。私、悲劇のヒロインなんだ。



だからね、ヒロインは悪に勝たなくちゃ。






『ありがとー！おかげで頭さえた！』





教室全体が私の声で包まれる


「は．．．？ちょっと意味が．．．」

モブA、うるさい。




潰すだけだったらつまんない

いいよ、私がやってあげる





教室には悲劇のヒロインが2人。




はは、どっちが勝つんだろ







期待を膨らませながらクスッと笑った声は

誰の耳にも届いていなかった。

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