同級生は優しい ページ10
そのまま朝練が終わる時間まで向日さんや芥川さん、滝さんの練習を見ていた。
女の子達も撤収していて、辺りにはボールがたくさん転がっていたため拾っていると、長太郎くんが手伝ってくれた。
「あ、マネージャーの仕事だし私がやるよ?」
鳳「遠慮しないでいいよ。女の子一人じゃ大変だし。...それに、俺が教室にいったら場所わからないでしょ?」
懸命にボールを一つ一つ拾いながら、長太郎くんはそう言う。
確かに、この広い校舎は迷ってしまいそうだった。
「そっか...。ふふ、ありがとう!」
鳳「休み時間になったら、学校の中を案内するね。」
「うん!」
長太郎くんと黙々とボールを片付けていると、あっという間に終わった。
「ふー!終わったね。」
鳳「後で使ったボールは各自で戻すよう、言っておかないと...。じゃあ俺、着替えてくるから靴箱で待ってて!」
「分かった!」
部室へと走る長太郎くんを見届けて、私は靴箱に向かう。
...いや、向かおうとした。
「(返事はしたけど、靴箱がどこなのか分かんない...!)」
校舎がいくつも連なっていて、どこが靴箱なのか全く分からない。
周りを見回していると
日「何うろちょろしてる。」
制服に着替え終わってこちらへ歩いてきた日吉くんに声をかけられた。
「あ、日吉くん!(感じ悪くて怖いんだよな...)
長太郎くんに靴箱で待っててって言われたんだけど、場所わかんなくてちょっと...。」
日吉くんの鋭い目付きが怖くて、目をあわせずにいると
日「へぇ。随分鳳に気に入られてんだな。来いよ、連れてってやる。」
くるりと背中を向けて足早に歩き始めていた。
「えっ、いいの?!ありがとう!日吉くん、意外と優しいんだ!」
置いていかれないよう、すぐに私も歩き始める。
日「はぁ?意外と?!」
「だって、私がマネージャーになる、って流れのときそっけなかったし...。」
日「あ、あれはっ、忍足さんがいってた通りで...!と、とにかくいくぞっ!」
やっぱり、ツンデレなのかな?日吉くん。思ったより怖い人じゃなさそうで良かった...!
ー到着ー
日「お前、クラスは?」
「えっとね、長太郎くんと同じだったよ!」
日「鳳と?なら俺とも同じだな。」
「そうだったんだ!じゃあ、これからよろしくね!」
日「...おう。んじゃ。」
日吉くんは靴を履き替え、廊下をわたっていった。
日「
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月26日 23時