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尊敬できる人 ページ9

「忍足さんが、他の部員のところに行ってきな〜って言ってたけど、話す人もあんまりいなくて...。長太郎くんがいたから話しかけに来た!」

私がそういうと長太郎くんは少し頬を染めて笑う。


鳳「ははっ、何それ笑 確かに、宍戸さん以外の先輩は話しかけにくいかもね。」

「ね〜!長太郎くんはどうして宍戸さんのこと、尊敬してるの?」

鳳「えっ?!」

「朝から宍戸さんと一緒だったし、ずっと話してたから尊敬してるのかなって!」

すると長太郎くんは後ろにいる宍戸さんを見つめて話始める。


鳳「俺、手首に癖があって。それが克服できるまで宍戸さん、練習に付き合ってくれたんだ。
...完全に良くなった訳じゃないんだけど、かっこよくて優しくていい人なんだよ。」


優しく、微笑みながら話す長太郎くんはどこか嬉しそうだった。

視線に気づいたのか、宍戸さんがこちらへ声をかけてきた。


宍「長太郎、矢野〜!俺の話してんのか?」

鳳「はいっ!宍戸さんの、最高なところを!」

宍「お、そうか。ありがとなー!」

ヒラヒラと手を振って、すぐにボールの壁打ちを始めた。


「フフっ、ホントに仲がいいんだね!」

鳳「うん!宍戸さんと一緒なら、何でもできる気がするし!Aちゃんは、そんな人っている?」

長太郎くんも宍戸さんに手を振り返しながら、そんなことを聞いてくる。

...その質問に、私は少し困ってしまった。


「いるけど...。尊敬っていうか、好きな人!」

鳳「っ...そう...。」

なぜか長太郎くんは一瞬、悲しそうな顔をした。

鳳「それは、前の学校の人?」

「うん。テニス部でね、すっごいかっこよくて!...何も言わずに転校したんだ、私。」

鳳「えっ、そうなの?」

「人に話すようなことじゃないから、大丈夫だけどね!」

私が転校した理由は、誰にも話すつもりはない。だけど、ひとつ言えるなら心配をかけたくないってこと。


鳳「...そっか。」

向「おーいマネージャーっ!俺のアクロバットも見てくれよー!!」

少ししんみりした空気の中、ラケットを上に掲げた向日先輩が叫ぶ。

「はーい!...じゃあ、またね長太郎くん!」

鳳「うん。じゃあ。...... (好きな人、いるんだ)...。」



跡「もう馴染んでんじゃねーの。いくぞ、樺地。」

樺「ウス。」



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重い理由ではありませんので、ご安心ください!

同級生は優しい→←氷帝学園テニス部 3



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作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月26日 23時

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