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豪華な部室 ページ28

忍足さんの呼吸する音が直に聞こえてくる。

やだ、私、真田さんと...!!


侑「なんてな。冗談やで?」

パッと閉じたままでも周りが明るくなるのがわかる。忍足さんは寸前で離れたようだ。


侑「...おーい、お嬢ちゃん」
「や、やりすぎです...!!!」

忍足さんと目を合わせることができず、片手で突き放してしまう。

向「おい侑士!!マネージャーになにしてんだよっ!!」

慌てたように向日先輩が駆けつけてくる。ラケットで忍足さんを攻撃しているようだ。

侑「痛いわ岳人!なんもしとらんわ、ちょっとからかっただけやって。」

向「見てたのは俺と樺地だけだったから良かったけどよ!!鳳が見てたらどうすんだよっ!!」

向日先輩が走ってきた方向を見れば、固まっている樺地君が目に写る。
そういえば、耐性がなかったんだっけ...。

侑「そんな怒らんでもえぇやん。...ほら、いったいった。」

忍足さんはそれから向日先輩をなだめて、また部室へと歩き出す。


この人、危ない...!!


ー部室ー

顔の熱が冷めないまま歩いていくと、そこには大きな部室。
ドアノブをひねると


「わぁー!!想像通り、洋室〜!!」

ここは本当に学校なのかと思うほど、素敵な空間が広がっていた。


侑「こんな豪華なの、テニス部くらいやで。あ、お嬢ちゃん紅茶飲む?」

そういって忍足さんはどこからかポットとティーバッグを出していた。
お茶なら飲むけど、紅茶か...。まぁ、経験は大事だし、ありがたく貰っておこう。

「では、いただきます!」

忍足さんはなれた手つきで紅茶を淹れる。
いい香りが鼻をくすぶってきた。薔薇のような、上品な香り...!


侑「そこのソファー座っててえぇで。」

案内された赤で色づいたソファーに腰掛ける。フカフカで、いかにも高級、って感じ...。


侑「それ、跡部が特注で作ったんや。」

「特注?!部室なのに...?」

侑「これだけやないで。この部室の全部の家具が跡部財閥特注のらしいわ。」

テニス部の部室、だよね?まるで誰かの部屋みたい...。

「へぇー!」

私は忍足さんの淹れてくれた紅茶に口をつける。

「美味しい...!」

侑「な。俺も品名はわからんけどそれ、好きやわ。」

パッケージで覚えているのだろうか?

忍足さんは立ったまま言う。


「あっ、ごめんなさい...。忍足さん、部活中でしたね...!私もすぐ...!」

侑「あぁ、気にせんでえぇで。自分、眠いんやろ?」

「えっ?!わ、分かりました...?」

おやすみ、そしておはよう→←からかい



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作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月26日 23時

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