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久々の会話 ページ20

真「久し振り、だな。」

「は、はいっ!」

気まずい空気が流れる。

黙っていったこと、怒ってないかな、とか...、ずっとこのままなの恥ずかしいとか...。





真田さんが口を開く。

真「仁王から聞いたぞ。赤也を思って、転校したのだな。」

え?私、立海の誰にも話してないのに...


「仁王先輩、からですか?」

私がそういうと真田さんは焦ったように付け足す。

真田「!(そうか...。口走ってしまったが、昨日の忍足が仁王の変装だということは知らなかったのだったな...。)忍足から聞いたらしくてな。それを仁王経由で知ったんだ。」

「あー、そうなんですね...!」

仁王先輩と忍足さんって、知り合いだったんだ。


「あの...、黙って行って、すみませんでした。」

私は真田さんから離れて、目を見てしっかりと謝る。満員のため、腰を折ることはできないが誠意は伝わるだろうか?

そのまま顔をあげると、真田さんは無言でこちらを見つめる。
やっぱり、怒っているのかな、と思っていると


真「正直、お前がいなくなって我が立海テニス部は困っている。」

「ご、ごめんな」
真「いや、怒っているわけではなくてな!」

謝ろうとすると声を重ねて言ってきた。
心なしか目を合わせてくれない気がする。


真「いつもお前がしていたことの大切さに、改めて気付いたんだ。もう、立海に戻ってくる気はないのか?」

「そう...ですね。」

私は考える。もちろん戻りたい。真田さんや他のみんなにまた会いたい...!だけど


「少しは戻りたい気持ち、あります!だけど...赤也君がいますから...。」

私が氷帝に来た理由は、赤也君に気を悪くしてほしくないから。

真田さんが良くても、誰か一人でも嫌だと思う人がいるなら、いかない方がいい。

すると真田さんは小さくため息を漏らす。


真「むぅ...。とりあえず、また倒れると危ない。つり革に掴まっていろ。」

そういわれて上を見上げるけど、つり革は人の手でいっぱいだし、ぎゅうぎゅうに詰められているお陰で腕をあげることができない。

「つ、掴まるとこないです!」

真田さんもつり革に目を向けて、何か悩んだあとに


真「そ、そうか。であれば俺につかまるといい。」

そう言ってくれた。
え...、掴まるって、いいんですか?!!

「分かりました!」

私はチャンスだと思い遠慮なく真田さんのシャツの裾を掴む。

すると真田さんは私の背中に手を回し、自分の体へとぴったりと抱き寄せてくれた。

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作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月26日 23時

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