先輩の嘘 ページ11
しばらく一人で待っていると
鳳「ごめん、遅れた〜!」
「大丈夫!日吉くんと喋ってたらあっという間だったよ。」
長太郎くんは息を切らしながらシューズに履き替える。
鳳「あの日吉が女子と喋るなんて珍しいな...。」
「そうなの?」
何となく理由は分かるけど...。
鳳「まぁ、あの態度だから喋りかけようとする女の子がいないんだよね。」
「ふふ、なんか分かるかも笑 でも、いい人だったからもっと仲良くなれそう!」
忍「日吉にあんなこと言えるの、お嬢ちゃんくらいしかおらんもんな。」
隣の靴箱からひょいと身を乗り出して、忍足さんはそういう。
忍「話しとるんもいいけど、そろそろチャイムなるで?」
「えっ?!」
鳳「本当ですか?!大変だっ、こっちだよ!」
すると長太郎くんは私の手をつかみ、全速力で校舎へと走りだした。
「ちょっ、速すぎるよ、長太郎くんっ!!」
鳳「ごめん、でも初日から遅刻させたくないからっ...!」
「!あ、ありがと...。」
握られた長太郎くんの手は大きい。二人で走るのが青春らしくて少しドキドキしてしまった。
ー二人が教室へ走っていったあとー
侑士side
向「マネージャーと長太郎?まだ全然時間あんのに何で走ってんだ?」
不思議そうに走っていった鳳とお嬢ちゃんを見つめる岳人と合流。
「ちょっと鳳をからかってみたんや。あいつ、お嬢ちゃんのこと好きなんちゃうんか思て。」
向「はぁ?!お、俺らより先に青春らしいことしやがって...!くそくそっ!」
「安心しぃ。鳳にお嬢ちゃんは渡さんで。」
向「何で侑士が言うんだよ...。ってか、それもダメだろっ!」
岳人はちょい怒っとる。なんや、後輩の恋くらい素直に見届けられんのかいな。
宍「おい岳人、なに騒いでんだよ?ちょいダサだぜ。」
「おう、宍戸やん。鳳があのお嬢ちゃんのこと好いとるみたいでな。」
宍「へー。良いじゃねぇか。長太郎、恋愛の話は苦手だが、矢野と話すときは今日がはじめてなのにいきいきしてるし。」
岳人と違って宍戸は冷静。こいつはほんま後輩想いやな。200人に牛丼奢るだけあるわ。
向「転校初日でなー...。一目惚れか?」
宍「さぁな。電車で助けただけだからまだ分かんねぇよ。
さ、俺らもいくぞ。」
向「そうだな!行くぞ侑士!」
「ほんま元気やなぁ、岳人は。」
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作者名:麗花 | 作成日時:2024年3月26日 23時