検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:422,083 hit

邪魔 ページ13






黄金の王の宝物と、黒い騎士の力が

今にも衝突しそうになったその時だった。



「…!」



辺りを令呪の魔術が侵食する。

と同時に、ギルガメッシュは指をピクリとも動かさなくなった。



それは遠坂時臣が、令呪を使ってギルガメッシュに帰還を命じたからに他ならない。







『……邪魔を……』





不意に口から出た言葉は、自分でも驚くものだった。

時臣の行動に、怒りを覚えたのだ。


そのような事は初めてだった。



だが時臣の行動は非常に理に適ったものである事も、しっかり理解できていた。

だからこそ、怒りを表面に出すことをしなかった。




やがてギルガメッシュは、大量の武器を回収しながらその場を去っていった。













『……帰ろう。』



黄金の輝きが無くなった瞬間、急に興味が無くなった。

聖杯戦争というそのものの、本来の戦いに何の意欲も感じない。


気がつけば路地裏まで歩いていた。










帰るのだ。











『……どこに?』



しかしそこから足は動かなかった。

このまま遠坂邸に戻ったとしても、あの話の後ギルガメッシュの元には行けない。

行ったとしても、追い返されるか、あるいは――





『……寒い。』




よく考えてみれば、真冬に大した上着も無く外まで来てしまっていたのだ。

意識した瞬間、突然の震えに見舞われた。


体を抱き込んで、その場に座り込む。

寒い。

寒い。






『………ギルガメッシュ………』





何故その時その名を呼んだのか、わからない。

口から気がつけば漏れ出ていた。












「我を呼んだか、雑種。」

『!!!!!』




声のした方を見上げると、その場にいるはずのない男の姿が見えた。

相も変わらず趣味の悪い服装をした、しかし見間違うことのない赤い目を持つ男。


暫く、お互い声を出すことなく見つめ合った。



「……いつまで我を見ている、早く立て。」



何分か経ち、痺れを切らしたギルガメッシュのイラついた声に、思わず立ち上がった。



『………何故、貴方がここにいる。』

「…フンッ、貴様…先程まであの場所で我を見ておっただろう?」

『!』



ばれていた。

流石というべきか、目の前の男はさも当たり前の様に言い放つ。



『けど、令呪で邸宅に戻ったのでは?』

「撤退せよとの命だ、武器を下げれば縛りは消える。」




やれやれと溜息をつくギルガメッシュに






私は涙を流していた。

貴方にとっての存在→←最強



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (464 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
804人がお気に入り
設定タグ:Fate/Zero , ギルガメッシュ , 英雄王   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

カエデ - もう更新は絶望的かもしれませんが、いつまでもお待ちしております😭 (10月8日 14時) (レス) id: e7e0135c10 (このIDを非表示/違反報告)
指導者は白痴、かかってこいや当局 - まじかよ本当にいいとこで終わってんな、、、 (2021年8月26日 23時) (レス) id: 55ab4f5815 (このIDを非表示/違反報告)
Na Ryu(プロフ) - うそん!!?めっちゃ良いとこで終わってるー!! (2021年1月4日 9時) (レス) id: e0675e6765 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちゃん(プロフ) - コメント失礼します。ギルガメッシュが好きでこの小説を読み始めました。続きがものすごく気になります!更新頑張ってください!! (2020年6月12日 17時) (レス) id: 5728e25ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの - コメント失礼します^o^凄く面白いです!更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月21日 19時) (レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:またたび | 作成日時:2016年6月19日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。