愛知らぬ者は友となりて

最強 ページ12

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現場に緊張が広がる。


いつ戦いが始まってもおかしくない状態。


誰もが息を飲んでいた。








その時








「ｸﾞｱｱｱｱｱｧｧｧｧｧｯ！！！！」



獣の様な咆哮。







「バーサーカー！？」



何もないただの地面から現れたのは、青黒い鎧を着たどこまでも不気味な戦士。



『……あれが……バーサーカー……！？』





ギルガメッシュとはまた違った、威圧的なオーラ、凶悪な力。

その存在が一気に流れを変えた。





ギルガメッシュはライダーやセイバーの方を見る事無く、バーサーカーの事をじっと見つめていた。

黒い戦士は街灯の上に立つ金色の王を下から見つめる。





「誰の赦しを得て我を見ている、狂犬めが。」



ゲート・オブ・バビロンの開き向きが変わる。

目標はバーサーカー。






「せめて散り様で我を興じさせよ、雑種」






その一言と同時に、二本の剣が射出される。


響き渡る轟音と閃光。


突風に思わず目を瞑る。







((……やった……？))



一瞬だけ、そう思った。

だがそんなことはなかった。







黒い戦士は何事もなかったかの様に、その場に立っていた。



一瞬、本当に一瞬だったせいで、何が起こったのか全く理解できなかった。



((……剣……二本のうちの一本を掴んでもう一方を相殺した……？そんな事が……))



恐ろしい程に正確、かつ大胆な動き。

最強のクラスというものは、名ばかりではなかった。



続いてギルガメッシュが攻撃を仕掛ける。

飛んでくる何本もの剣や槍、斧など様々な種類の武器に、いとも容易く対応する。

それはただバーサーカーだからという訳ではなさそうだった。



やがて煙の中から二本の武器が街灯を切り裂く。

地に降り立ったギルガメッシュの眉間は細かく痙攣している。






それは怒り。







「…痴れ者が……天に仰ぎ見るべきこの我を…同じ大地に立たせるか！！その不敬は万死に値する！！…そこな雑種よ、もはや肉片一つも残さぬぞ！！」






ギルガメッシュの背後は一面の門で埋め尽くされる。



それは圧巻としか言いようのない、異次元な光景だった。




((………やはり、この男も………一つ次元が飛んでいる……))








再び高揚感に襲われる。

初めてだ、初めの感情。









もし、彼と対等の場所に立てたとしたら


一体どんな景色が見えるのだろうか。









そう思う。

思うのだ。





この感情を何というのか、まだ私にはわからない。

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