茶会 ページ7
最初はマリーと2人きりでお茶会をしていたはずだが、そこからジョゼフが来て、いつの間にかマリーは参加しなくなり(多分試合に引っ張りだこ)、そして最近は代わりにジャックがやってくることが多くなった...。
という参加者の変動が激しいこのお茶会も、私にとっては日課のようになってきている。
｢すみませんねぇ、遅れてしまいました｣
後ろからジャックの声がかかる。
彼は私の隣の席にさも当たり前かのように座った。
｢全くだ。時間の管理はきちんとしてくれ｣
｢ジョゼフさんは相変わらず辛口ですねぇ。ねぇAさん？｣
『う、うん』
2人のやり取りは一見どこか他人行儀みたいに感じるかもしれないけれど、仲が良くないと出来ない会話だ。見ているだけで楽しい。
だから話を振られるとちょっと発言し辛い。
｢今日の試合、初めてサバイバーの人間と交流出来たのでは？｣
『あ、うん。探鉱者のノートンさん...』
ケーキどうぞ、と切り分けながらこちらへ話しかけてくるジャック。多分ケーキ用意してくれたから遅れたのかな？なんて。
｢あぁ。疲れている理由はそれか｣
納得したよ、とジョゼフは頷く。
普段定型文でしか会話をしない(できない)私だけど、今日は初めて誰かと話をしたし姿も目視された。
果てには近距離での隠密とか...い、いろいろ...。
『もっと何か話した方が良かったかな...』
ちょっと話し掛けにくい無表情なあの感じ。
低くて男らしい声。高い背丈。
彼の容姿を思い出していると、さっきの試合での後悔が振り返してくるようだった。
｢私が相手でも貴方は悠長にお話している暇があったんですか？｣
『ち、違うよ！ジャックに見つからないようにちゃんと隠密してたもん！』
ふーん？と剣呑な様子のジャックに慌てて首を振る。すると彼は満足気な様子に早変わりした。
『ハッチから逃げられないと思った...』
追いかけられずにハッチから出られたのは奇跡だと思う。
私がそう呟くと、ジャックはまた楽しそうに笑った。
｢いやぁ、どうにも見失ってしまいましてね。でもまぁ私の勝ちでしたから、どうだっていいですが｣
得意気な顔をするジャック。
彼は言葉は紳士なのに試合では容赦しない。
だからあのとき私まで捕まってしまうんじゃないかと思ったけど...。
｢...本当は見えていたくせに｣
ジョゼフのその呟きは、私たち2人には届かなかった。
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怜(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます！！沙羅さんのコメントが嬉しくて私も毎回栄養補給させて頂いてます(？) 他作品の方はこれからも続くので、どうか末永くよろしくお願いします...！ (2020年6月25日 0時) (
レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 完結おめでとうございますとお疲れ様です…！どんな結末になるんだろうと色々妄想(？)してたのですが、ちょっと切なくて甘い感じ、好きです…！今回も栄養補給させて頂きました(ｴﾍﾍ)、ありがとうございます…！！喫茶店の方も楽しみにしてますね！ (2020年6月24日 21時) (レス) id: 3aa856ffa1 (このIDを非表示/違反報告)
?mi?(プロフ) - ゆったり更新で大丈夫ですっ！気長に待ってますっ！！ (2020年6月17日 4時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - ?mi?さん» ありがとうございます...！ゆったり更新ですがどうかよろしくお願いします！ (2020年6月16日 18時) (レス) id: 6fe8036f83 (このIDを非表示/違反報告)
?mi?(プロフ) - 続きめっちゃ楽しみにしてますっ！！ (2020年6月16日 3時) (レス) id: 9bb4cee45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜 | 作成日時：2020年6月6日 16時
