はじめての彼女の部屋 1 ページ12
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「ごめんね、一応掃除はしたんだけど」
『おじゃましまーす』
玄関に入るとフローラルないい香り。
『Aちゃーん、俺これ好き』
「主語言って笑」
『分かんないけど、いい匂いする』
「ディフューザーだよー
ならよかった。私も好きなんだ」
先に行くAちゃんを追いかける。
「ごめん。
うちソファーないからそっちの奥座ってて?」
ちょこんと置かれた座椅子に座る。
片隅に観葉植物があったり
写真立てとかアクセサリーが飾ってあるのを
きょろきょろしていると
「そんなに見ないでよ笑」
キッチンから声が飛んでくる。
『だって気になるじゃん、彼女の部屋』
「気にしなくていいから笑
紫耀はブラックでいい?」
『うん、お構いなくー』
目の前に置かれたマグカップと
向かいに座る愛しの彼女。
それだけでドキドキがすごい。
そのせいか
部屋の中ではいつものように話すことが出来なくて無言の世界が広がる。
俺の家の時とおんなじだ。
もう少し付き合う期間が長いと
お互いがなにしてても気にならないんだろうけど、
俺達は気を使いあってしまうから。
そう考えてる間もAちゃんからも視線を感じる。
この状況をどうにかするためには……
小さく部屋を見渡して目についた
『ねねねね、ゲームしてみたい』
部屋の片隅にあったコントローラー。
「二人で対戦してみる?」
『するする!Aちゃんすっげぇうまそう』
「ご期待に添えればいいんだけど」
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作者名:凛 | 作成日時:2020年7月11日 23時