Last Joker brand new world 前編

side F ページ41

はぁはぁと、荒く呼吸を繰り返す北山

いったん寝付いても、身体が痛むのか、苦しいのか、すぐに起きて、苦しそうに喘ぐ

その姿が辛くて、何もできない自分が悔しくて、ただ平須らに北山に体を擦って、また眠りにつくまで抱きしめた


すぅっと、小さく寝息をたてながら、瞼を閉じた北山の寝顔を見つめる

ここへ来てから、同じベッドで眠る様になって・・


何度もその寝顔を見つめながら、その柔らかな頬を撫でた







正直、身体も心も休まらない日々の連続で、ゆっくりと北山と過ごすことなんてできずにいたけれど

本当はもっと・・この寝顔を見つめながら、その隣でゆっくりと眠りたい



無邪気に笑った顔、不貞腐れた様に尖らせた赤い唇

不安げに揺れた瞳、丸く見開く大きな目

全部・・抱きしめて、大好きだと、伝えたいのに





『俺も・・北山が好きだっ・・・』




あの日、みんなの前でそう伝えて以来

俺達は特別に互いの気持ちを確かめ合うことはしていなかった



だけど、きっと・・

俺と同じように、北山も感じてくれていると、思っている




身も心も、一つになって・・愛していると伝えられたら、どんなにいいだろうか

飽きるほどにキスをして、その身体を、生まれたままで抱きしめられたら、どんなに幸せだろう

そのいつか、を果たせないまま、その小さな体をそっと包むように抱きしめる




「今はまだ・・・もう少し、このまま・・かな」




怖がらせたくない・・



柔らかな髪をふわりと撫でる

いつか、この気持ちがどうしようもなくなった時には・・



お互いの甘い体温に触れて、お前の中の温度を感じながら繋がりたい
お前の、その柔らかい肌に・・俺の印をつけて・・も、いいかな？





薄く言開いた唇に、静かに自分の唇を押し当てた

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